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2011.11.01
“トウ立ちが遅く太りがよく、肉質緻密で肌のテリが美しい”春ダイコン品種
『春神楽(はるかぐら)』を新発売
タキイ種苗は、2011年の新品種として、トウ立ちが遅く太りがよく、肉質緻密で肌のテリが美しい春ダイコン『春神楽(はるかぐら)』を発売します。

春ダイコンの作付け面積※1は、平成22年産で4,930haで前年産に比べ70ha減少し、出荷量は5%減少しています。年間のダイコン栽培の中で、春ダイコンはトンネル、マルチなど資材を必要としコストがかかるうえ、抽苔※2(ちゅうだい)の危険性もあり一番難しい作型です。このため、生産現場ではこれまで品質よりも確実に収穫できるかどうかが品種を選ぶポイントとされてきました。しかし、肉質や形状などの品質のすぐれた品種が求められています。また、食生活やライフスタイルの変化により、ダイコンの消費形態は家庭での煮物、漬物での利用が減り、刺身のツマや漬物、コンビニのおでんなどの業務・加工向けが増加し、これらの用途では「煮崩れしにくい、硬くて緻密な肉質」や、青首の薄い品種が求められるようになっております。

今回新発売する春ダイコン『春神楽』は、晩抽※3で低温下での根の伸び、肥大に優れ、先端の尻づまりが良好で、根の姿、肌が美しい品種です。暖地の年内〜1月まきトンネル・マルチ栽培で品種特性を発揮します。胴が太り過ぎず、1月まきのトンネル栽培では根長38cm、根径8cm程度でよくそろいます。首色は薄く、肉質は緻密でス入り※4が遅く、ツヤのある上質な肌なので、青果・加工兼用として市場性も高い品種です。

タキイ種苗では、春ダイコンを「風」シリーズから「神楽」シリーズにシフトすることで、さらに抽苔を安定させ、播種期の幅を広くし栽培性の向上と、肉質や肌ツヤなど品質のさらなる向上を目指します。栽培性と品質をベースに首色の薄いダイコンとして青果のみならず加工・業務用などお客様のニーズに対応したダイコンの品種育成をこれからも進めてまいります。
つやのある上質な肌なので、
青果・加工兼用として 市場性が高い!

形状安定性にすぐれた晩抽種!
◆『春神楽』の主な特長
抽苔が安定して遅く、低温伸長性と低温肥大性にすぐれ、秀品率が高い春ダイコンです。
尻づまりが良好で根形が安定し、そろいがよい。
首色は薄く、肌が美しい。
暖地・中間地の11月〜1月まき、3〜4月どりのトンネル・マルチ栽培で特性を発揮する。
尻づまりが良好で、根の姿が美しい

◆作型表
作型表

◆価格
品種名 量目 希望小売価格(税込み)
春神楽
1袋(約250粒) 577円
10ml 1,050円
2dl缶 15,435円

<注釈説明>
※1 春ダイコン作付け面積 農林水産省「農林水産統計」平成23年4月28日公表「平成22年産春野菜、夏秋野菜等の作付面積、収穫量及び出荷量」より
※2 抽苔(ちゅうだい) 気温や日長などにより花茎(かけい)(花を付けた茎)が伸び出すこと。「とうだち」ともいう。
※3 晩抽 抽苔の遅い性質のことで、品種差がある。ダイコンでは冬〜春まき栽培で特に問題となり、晩抽性の品種が求められる。
※4 ス入り ダイコンやカブなどの根の中に起きる異常の一種で、内部の細胞が劣化し、スポンジ状の空洞ができること。収穫が遅れた場合や、何らかの障害で肥大が止まった場合に起こりやすい。

資料:春ダイコンの作付け面積推移、春ダイコンの都道府県別収穫量割合
(農林水産省「農林水産統計」より)
作型表