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2020.03.13
トマトに含まれるリコピンが、血中(LDL)コレステロール減少に効果発揮
トマトの継続摂取による臨床試験で実証
タキイ種苗は、現代社会で注目さている成分であるリコピンが、血中(LDL)コレステロースの減少に効果を発揮することを臨床試験で実証しました。
リコピンは非環式の不飽和カロテノイドの一種で、トマトやスイカをはじめ、多くの野菜や果物に含まれる赤い色素です。これまでトマトジュースなどの加工品でのリコピンの効果については数例の報告がありましたが、生鮮食品での臨床試験は日々の食生活の影響を受けることなどから、実施、解析が非常に難しいといわれていましたが、今回セミドライトマト※1を用いることで、トマトに含有するリコピンの効果を実証することができました。
タキイ種苗は、平成28年度革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)に採択され、農研機構生研支援センターの支援を受け「健康の維持増進に有用な機能性強化野菜の栽培実証と機能性表示食品の開発」にこれまで取り組んでまいりました。今回の臨床試験はその一環で、健康情報科学研究センター(北海道情報大学内)※2の協力を得て、タキイの品種である高抗酸化能トマト(商品名:PR-7)※3を用い効果の実証を行いました。
<今回の臨床試験を実施・監修した 北海道情報大学医療情報学部 西平順教授のコメント>
リコピンのコレステロール改善効果については今までにも報告がありましたが、今回の臨床試験では、試験参加者の方に生鮮に近いトマトを食べていただき、リコピンの効果を実証することができました。今回の試験を参考にして、今後、機能性野菜の研究が推進することを期待しています。
なお今回の研究成果は、栄養学の分野で評価の高い国際学術雑誌「Nutrients」(2019,11(5),1177)に論文掲載されました。※4
タキイ種苗は、1990年代より野菜の持つ機能性についての研究開発を進めてきました。その結果、機能性成分を豊富に含んだ野菜シリーズ「ファイトリッチ」※5を現在21品種、展開しております。今回の臨床試験に続き、これからも第三者試験機関とともに野菜の持つチカラを実証するアカデミックマーケティングを進め、消費者の皆様に“野菜の魅力を知っていただくための活動”を、タキイは今後とも続けてまいります。
■臨床試験の概要
試験実施機関 | 北海道情報大学 健康情報科学センター |
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試験実施医療機関 | 北海道情報大学 保健センター |
試験課題名 | 高抗酸化能トマト「PR-7」の12週間継続摂取による脂質代謝改善作用に関するプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験 |
試験目的 | 高抗酸化能トマト「PR-7」を12週間継続摂取した際の脂質代謝改善作用をプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験にて検討すること |
対象 | LDL-Cが120 mg/dl以上160 mg/dl未満の30歳以上70歳未満の日本人男女を対象とし、選択基準に合致し、除外基準に該当せず、かつ試験責任医師が適格であると認めた者100名を選択した |
群構成 | プラセボ食品摂取群、被験食品摂取群 各50名 |
摂取期間 | 12週間 |
評価時期 | 摂取開始前、摂取4週後、摂取8週後、摂取12週後 |
主要評価項目 | LDL-C |
■試験方法
(1)試験食品の基本情報
- ・被兼食品
- 名称:高抗酸化能トマト「PR-7」
形状:乾燥野菜(セミドライトマト)(乾燥歩留18%±3%)
- ・プラセボ食品
- 名称:リコピンフリートマト
形状:乾燥野菜(セミドライトマト)(乾燥歩留18%±3%)
(2)方法
1日1袋(50g)を12週間毎日、調理等はせず、そのまま摂取。
■結果
(1)主要評価項目:LDL-C
摂取開始日、摂取4週後、摂取8週後、及び摂取12週後の計4つの測定時点における実測値について、摂取群毎に平均値及び標準偏差を算出した(図1-1)。また、各評価時点における摂取開始前からの変化量について、摂取群毎に平均値及び標準偏差を算出した(図1-2)。被験食品摂取群で、摂取12週後で有意に低下した。


(2)副次評価項目:血中脂溶性カロテノイド(リコピン)
摂取開始日、摂取4週後、摂取8週後、及び摂取12週後の計4つの測定時点における実測値について、摂取群毎に平均値及び標準偏差を算出した(図2-1)。また、各評価時点における摂取開始前からの変化量について、摂取群毎に平均値及び標準偏差を算出した(図2-2)。血中脂溶性カロテノイド(リコピン)は、被験食品摂取群で、4w、8w、12wで有意に増加した。


■今回供試したタキイの高抗酸化能トマト「PR-7」
臨床試験で用いられたトマト(品種名:PR-7)は、リコピンだけでなくグルタミン酸も豊富に含む美味しい中玉トマトで、毎日生食で食べるだけでなく調理することで旨みをより一層感じられるトマトです。
トマト『PR-7』は、実証パートナーである株式会社サラダボウル(山梨県中央市:代表取締役社長 田中進)のグループ会社で栽培されており、「サラダボウルのごちそうトマト(ファイトリッチ)」の商品名で、リコピンの機能性表示食品として3月から首都圏の量販店で販売開始されました。
https://www.takii.co.jp/info/news_200304.html
商品名 | サラダボウルのごちそうトマト(ファイトリッチ) |
---|---|
産地 | 兵庫県産(兵庫ネクストファーム) |
販売開始 | 2020年3月〜 順次販売 |
販売先 | 「オーケー」各店舗「プレッセ」各4店舗(※一部取扱いのない店舗もございます) |
届出表示 | 本品にはリコピンが含まれ、リコピンを22mg/日摂取すると、血中LDLコレステロールを低下させる機能があることが報告されています。 本品を200g(2〜5個)食べると機能性が報告されている一日当たりの機能性関与成分の量の50%を摂取できます。 |
関与成分 | リコピン |
届出番号 | E468 |
情報詳細 | 消費者庁HP https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/ ![]() |

- ※1
- 形状:セミドライトマト(乾燥歩留り18%±3%)
- ※2
- 試験実施機関
http://www01.do-johodai.ac.jp/shoku/
- ※3
- 品種名『PR-7』のトマト種子は一般販売しておりません。
- ※4
-
Nutrients 2019, 11(5), 1177;
https://www.mdpi.com/2072-6643/11/5/1177/htm
タイトル:Effect of 12-Week Daily Intake of the High-Lycopene Tomato (Solanum lycopersicum), A Variety named “PR-7”, on Lipid Metabolism: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group Study
- ※5
- ファイトリッチ・・・“おいしさ”と“機能性成分”を兼ね備えた野菜シリーズ
https://www.takii.co.jp/tsk/phytorich
- ※6
- 「機能性表示食品」
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。
ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。