読めば納得! 「桃太郎」が美味しい理由

「桃太郎」トマトがおいしい理由

甘み(糖)

甘み(糖) タキイ種苗

糖はトマトのおいしさを左右する最も大きな要因の1つです。糖含量が高いことが美味しいトマトの前提となります。一般的に栽培されているトマトに含まれる糖成分は、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フラクトース)です。
果実の大きさと糖含量の間には、負の相関関係が認められ、果重を小さくするような栽培をすれば、高糖度のトマトを作ることができます。しかし、現状では桃太郎と同程度の果重(約200g)で、より高糖度の系統はなかなか見つかりません。

酸味(有機酸)

酸味(有機酸) タキイ種苗

糖につづいておいしさに関与する要因として酸味があります。トマトに含まれる主な酸味成分は有機酸で、その90%はクエン酸です。糖含量が高くなければ、酸味のよさが生かせません。

うま味(グルタミン酸)

うま味(グルタミン酸) タキイ種苗

うま味を構成しているのは、主にアミノ酸の一種であるグルタミン酸です。トマトにはこのグルタミン酸が多いので、よく料理の際に調味料として使われます。つまり、グルタミン酸含量が高いトマトはうま味が強いトマトと言えます。

これらの3つの要因が主にトマトの味を構成しています。しかし、各々が単独で高ければよいわけではありません。3つの含量すべてが高く、バランスがよいということが “おいしい” かどうかのポイントになります。

トマトの栄養、機能性に関する成分

トマトには、糖やクエン酸のほかにビタミンC、カロテノイド、ミネラルなどが多く含まれています。今回は、特にトマトに含まれているビタミンC、リコピンについて紹介します。

ビタミンC

ビタミンCは人間の体内では合成されない栄養成分で、抗酸化作用、免疫賦活作用があります。トマトには通常100g当たり約20mgのビタミンCが含まれています。これはトマトが太陽の紫外線や温度などのストレスがら身を守るために作っているものです。ですから、ビタミンCをたくさん含むトマトを作るには、できる限り太陽の下で、光がいっぱいに当たるような環境にしてやる必要があります。

リコピン

トマトの赤い色素であるリコピン。スイカ、金時ニンジンなどの赤い色素もリコピンです。このリコピンはβ-カロテンの2倍、ビタミンEの100倍の活性酸素消去能力を持つことが報告されています。桃太郎系の大玉トマトには100g当たり約3.0mgのリコピンが含まれ、特に果皮に近い外側の部分に多くなっています。

ミニトマトは通常のトマトよりもたくさんのビタミンC、リコピンが含まれています。