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球根草花 |
球根草花の知識 興味のつきない多種多様の花型と花色、草姿を楽しむ |
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作りやすい球根草花
球根草花はタネから育てるものと違って、肥大した球根に次の年の生長源となる栄養物を多量に貯蔵している、いわば持参金つきの植物であります。所定の場所に植えておけば、何の手間をかけなくても時期がくると、自然に花を咲いてくれる丈夫な草花です。
ヒヤシンス、クロッカスのように、水栽培のできるものも多く、植え木鉢やプランターを利用すれば、庭のあるなしは関係なく、どこででもつくることができます。球根類こそ、園芸入門の手始めにはまことに好都合な植物といえます。
しかし、その種類はきわめて多く、性質もさまざまです。特性を知り、栽培にいっそうの工夫をこらすことで、より美しく立派な花が期待できるのです。一度球根に関心を寄せますと、世界各地を原産とする多種多様な花に接することに興味のつきることがありません。
一般的な球根の知識
球根草花は多年生草花の中で、茎や葉、根の一部などが肥大して、球状または塊状となり、内部に豊富な養分をたくわえていることが特徴で、一定の休眠期間をおき、再び芽を出し生育して開花する草花類です。球根はその形態によって、次のように分類されます。
●鱗茎(りんけい)
たくさんの鱗片が抱合して一個の球状をなしているもので、球根を縦に割ってみると、ごく短縮された茎に葉が肥厚変形した「鱗片」が層状に重なり合っているのがわかります。鱗片の重なりが外見ですぐわかるユリをはじめ、チューリップ、ヒヤシンス、スイセンなどがこれに当たります。
●球茎(きゅうけい)
茎の部分が肥大したもので、外側は外皮でおおわれ、皮を除くと横すじ(節)があります。中央の芽が頂芽で、節には左右交互に小さな予備の芽(脇芽)がついています。何かの機会に中央の芽がつみとられても、かわりに予備の芽がのびることになります。グラジオラス、フリージア、イキシア、クロッカスなどの球根がこれです。
●塊茎(かいけい)
茎に当たる部分が肥大したもので、地下茎の一種ですが、外皮を覆っておらず形も不規則にふくれた塊状をなしています。サトイモ科のカラジュームやカラー、球根ベゴニア、グロキシニア、アネモネなどの球根がこれに当たります。大球になりますと芽数も増えるので、球根の表面にある芽をつけ切り分けてふやすことができます。
●塊根(かいこん)
本当の根の部分が肥大し、養分を貯蔵しているもので、節も外皮もありません。肥大した根そのものから芽の出ることはなく、球根に接続した地上茎の基部にある芽がのびて生育する性質のもので、ダリア、ラナンキュラスなどがこの塊根性球根に当たります。
●根茎(こんけい)
完全な地下茎が肥大したものです。節がはっきりとし、多くは球根というより株と呼ぶ方がふさわしい形態をしていますが、カンナ、ジンジャのように肥大したものを球根としてとり扱います。芽は先端部や節にあって多く、複数の芽がのび、株立ちに生育します。
春植え球根と秋植え球根
スタートする時期により、つまり植えつけ適期により、春植え球根、秋植え球根と区別してとり扱います。
春植えする球根類は、ほとんどが熱帯〜亜熱帯原産で、耐寒性に乏しく、暖かくなる4〜5月に植えます。気温の高い時期に生長をし、夏から秋にかけて開花するものです。秋遅くまで球根の肥大は続けますが、霜が降りると枯れますので、降霜期の前に掘り上げ、冬季は球根を凍らせぬようにして翌春まで貯蔵します。
秋に植える球根類は、気温の高い夏は球根の状態で休眠し、秋涼しくなると発根をはじめます。そして冬も生育を続け、春気温の上昇とともに生長して花を咲かせます。その後、新球が肥大し成熟するとともに地上部が枯れ、次の活動期の秋まで休眠という順序を繰り返します。
なお、以上のほかに秋少し涼しくなると急に生長して、先ず花を咲かす秋咲き性のものがあります。寒さには強く、花後葉を茂らせ球根が肥大して、5〜6月に休眠に入ります。開花期の関係上、スタートの植えつけは早くする必要があり、8月ごろ、つまり夏植えとします。
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