調べる

栽培基礎講座

戻る


球根草花の知識 作り方のポイント 球根草花栽培一覧表


球根草花
作り方のポイント 日当たりと水はけの良否が球根草花作り成否のカギ!
植え場所
日当たりのよい、水はけの良好な場所が最適です。充分に日照を受けることは丈夫に育ち花立ちもよく、殊に球根の肥大には欠かせぬ大切な条件です。また水はけの悪いことは生育不良や、ときには根腐れを起こす原因ともなりますので、避けるべきです。しかし一般の家庭園芸では、植え場所はあまりむずかしく考える必要はありません。花を咲かせて楽しむだけであれば、半日くらいの日当たりがあれば充分作れます。それに通気性と水はけをよくするには、花壇や花畑は一段高くし、通路にも雨水などが溜らぬよう流れをよくする工夫をすれば解決できます。
それよりも「植えてさえおけば花が咲く」といわれる花を咲かせやすい球根草花の特性を利用し、球根の消耗を気にかけず、いろいろとアイデアを駆使して自由に植える方におもしろ味があります。
庭がなくても、植え木鉢はもちろん、各種のプランターを使用する栽培は、まさに球根草花の独壇場です。市販のプランターでなくても手製の箱や、プラスチック容器など廃物利用でも結構です。この場合、必ず水はけのための穴をあけておくことを忘れてはなりません。これらは移動が簡単なため、栽培場所と観賞する所を変えることができる利点があり、大都会ではよく日の当たるビルの屋上やベランダ、縁側なども最適の栽培場所となります。

土つくり
よい土とは肥沃で、通気性に富むと共に適当な保水性があることです。湿ると粘り過ぎ、乾くとコチコチに固まる土などちょっと扱いにくい土です。
通気性を持たせるためパーライト2割くらい、さらに堆肥や腐葉土を与えると見違える程よくなります。また砂ばかりの場合には市販のピートモスを1〜2割程度混ぜるとよろしい。

土のない場合
ピートモスにパーライト、またはバーミキュライト2〜3割を混合した用土を使えば、プランターなどには軽くて好都合です。また近年は各種の培養土が市販され、入手しやすくなりました。それらを利用するのもよいでしょう。

植え方
球根草花は苗作りの必要がありません。その上のびた根を切るといけないものが多いので、途中で植え替えしないですむように、初めから目的の所にじか植えとします。
植えつけの深さ、間隔は種類により違いますが、大きい球根はそれだけ広く深く、小さいものは狭く浅くし、だいたいの目安として、深さは球根の厚味の1〜2倍、間隔は球根の直径、あるいは長さの3〜4倍と考えてください。
鉢またはプランターでは限られた容器で、限られた培養土で育てますので、有効に根を張らせるためあまり深く植えず、球根の頂部が軽く土にかくれる程度とし、植えつけ密度も観賞上の調和を優先させやや密に植えるとよいです。

肥料について
成分
チッソ(N)、リン酸(P)、カリ(K)が最も必要な肥料の三要素です。
チッソは葉肥えとも呼び植物体を大きく育てるために必要な成分です。
リン酸は、実肥えとも呼びますが、開花と結実に必要であるほか、花色をよくするはたらきがあります。
カリは根肥えともいい、根の発達を促し、組織を強くするに必要です。
いずれも球根草花に欠かせぬ大切なものですが、球根類は蕾が出てくるまでの生育前半期は、チッソが要求されると共に、花色は美しくするためリン酸が必要で、花後の生育後半は球根の肥大期にあたり、カリが要求されます。

施肥法
植えつけ前にやる元肥、生育途中にやる追肥と二通りありますが、元肥にはN・P・K三要素を含むゆっくりと効く緩効性の肥料(マグアンプK、IB化成など)をよく土に混ざるように施します。追肥は秋植え球根では春先芽の出揃ったころに、芽出し肥えとして化成肥料を、球根を残す場合は花がすんだ直後にカリ成分を多く含む化成肥料か、草木灰などを施すとよろしい。
花期が長期にわたるダリアやカンナなどは、元肥を充分に施し、さらに初期の花が終わった時期を見計らって化成肥料を与えます。鉢植えでは、水にすぐ溶けて使いやすいハイポネックスなどの肥料を規定の倍率に薄め、潅水を兼ねてときどき与えます。

病気と害虫の防除
健全な球根を入手し、丈夫に育てることがなによりの予防となります。一般的には光線によく当て、風通しをよくし、過湿と乾き過ぎにならぬように潅水を適切にすること、チッソ肥料だけをたくさん使うことをせずに、肥料はバランスよく施すことなどが、丈夫に健全に育てる最大のポイントです。
家庭園芸では農薬の使用はなるべく避けるべきですが、最も発生しやすい害虫にアブラムシがあります。繁殖力が強く、吸収口で植物の養分を吸い取り、衰弱させるほか、ウイルス病の伝播をする厄介な虫です。アブラムシの殺虫剤くらいは準備したいものです。手軽に扱える家庭園芸用の缶入りのスプレー式などが便利です。早期発見、早期散布が効果的で、繁殖しないうちに見つけ次第駆除することが大切です。薬剤散布は葉にあまり近づけずに30cmくらい離し、細かい霧状の薬液が平均にかかるように散布します。
なお、病害虫の防除に各種の農薬がありますが、使用法が適切でないと効果がないばかりでなく、思わぬ失敗をまねきます。販売店でよく相談の上、使用法を確めてからお使いください。

一覧に戻る