1. |
庭植え |
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庭園の下草に植えられているのは、すべて宿根草といってもよいほどです。私たちの庭では、庭木の間やその前面に、好みの宿根草を植えています。条件に合うものは増えて毎年咲きますが、合わないものは何度植えてもだめで、場所を変えなくてはなりません。1種類ずつが単によく育つだけではなく、他の植え込みと調和したり、お互いが一層引き立て合うように植え方を工夫すると、誰が見ても庭らしくなるものです。 |
2. |
花 壇 |
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庭の中でもよく日光が当たり、そこに花壇があることがポイントとなって庭の景観が引き立つように作ります。しかも、最小の面積で最大の効果があがるように、大きさや形、植える種類も厳選します。草姿が乱れず、花期の長いものを選ぶことも大切です。公園や道路端、河川沿い、学校、工場などの広い場所では、大型で大規模な花壇よりも、大型で丈夫な宿根草の横に連続した植え込みが、美しい景観を作ります。ここでも、周りの景観によく調和することが大切です。 |
3. |
池や流れ |
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水生植物の多くも宿根草です。ハス、スイレン、フトイなどを主役にすれば、夏には涼しさを感じる景観が楽しめます。家庭でもレンガとビニールで1〜2平方mの浅いプールを作れば、多くの水草類を集めることが可能です。 |
4. |
鉢植え |
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庭を持たない方は、当然ながら鉢植えで育てることになりますが、サクラソウやキクのように、多くの品種を鉢作りにして、それを飾りつけて観賞するものでは、鉢作りにしなくてはならない理由があります、寒い季節に咲くフクジュソウやクリスマスローズ、夜に咲くギボウシのタマノカンザシなどは、鉢植えにすれば室内や玄関に持ってきて花や香りを眺め楽しむことができます。
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5. |
プランターやフラワーポット |
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植木鉢より大型のものは、人工地盤の上や屋上にも置くことができ、組み合わせを楽しむことができます。ただ、宿根草というのは継続して育てていけるところにメリットがあるのですから、ある季節だけ植えてあとは片づけるというのでは、一年草とまったく変わらず、宿根草を植える意味がありません。丈夫な宿根草は、長く栽培してそのよさを活用していただきたいのです。
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6. |
崖地と斜面 |
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丘陵地や坂の途中の住宅地では、庭や道路沿いは崖地や斜面で、石を積んだり、よう壁であったりします。こうした階段状の地形を利用すると、乾燥に強い宿根草のロックガーデンが可能です。多肉質のベンケイソウの仲間(セダムなど)、ナデシコ類、カンパヌラ、ベロニカ、アイリス類、シバザクラなど、乾燥して風が通る条件を好むもの、匍匐(ほふく)性のもの、つるが伸びてからむ性質の宿根草など、かえっておもしろい庭ができることでしょう。 |
7. |
切り花 |
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切り花を目的として宿根草を育てると、それは花畑ということです。家庭では、空いている場所に様々な宿根草を雑然と植えて、きれいに咲いた時に切って部屋に飾るという人もたくさんいます。私たちの庭というのは、庭園というようなものではなく、どこも雑然とした庭か花畑というのが実情で、花好きな人ほどこんな形になるはずです。むしろ花を楽しむ園芸というのは、この雑然とした中にあると私は確信しているくらいです。自分の育てた花は、もったいなくて切れないこともあります。でもたくさん咲いた時は、間引きするように切って、ご近所や知人に差し上げて喜んでいただけるという楽しみもあります。
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