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栽培基礎講座

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宿根草花の知識 作り方のポイント


宿根草花
シャクヤク
開花期:5月〜6月
花の色:白・桃・紅・淡黄など
観 賞:庭・鉢植え・切り花
性 質:寒さに強い
草 姿:株立ち。60〜80cm
植替え:4〜5年目。10月上旬
類 縁:ボタン科。ヤマシャクヤク
原産地:中国北部
 ボタンが散った後に咲きだすシャクヤクは、花は少し小さいながら、すっと伸びた株立ちにあでやかさがあります。日本の山にはヤマシャクヤクがありますが、シャクヤクはこれと関係なく、中国の自生種から改良された園芸品種で、ボタンと並んで江戸時代から庭の草花として楽しまれてきました。

株分けと植え方
 草であるシャクヤクは太い根茎が放射状に伸び、その中心の部分に太い芽があり、何本もの茎が立ちます。3年で2倍、5年では3倍の茎が立つので、密生した1本ごとには十分日光が当たらず、風通しも悪くなって、花が咲きにくくなります。そこで、そうならないうちに株分け、植え替えを行います。
 時期は9月下旬から10月上旬で、この直後に新根が出ます。春にも苗が売られることがありますが、シャクヤクとボタンは秋に植えないと、十分根を張らせることができません。この時期がきたら、葉が枯れていなくても、茎を途中で切って堀り上げ、株分けします。伸びた根を折らないよう、芽に対して平均的に根が付くように、4〜5芽1株を目安として分けやすいところで割り分けます。
 適地は半日は日光の当たる肥えた場所で、西日や風の強く当たる所は避けます。間隔は50〜60cm、大きさ深さともに40cmほどの穴を掘り、堆肥をバケツ1杯に緩効性の化成肥料を50gほど加えてよく混ぜ合わせ、少し埋め戻します。その上に根株を入れて深さを調節し、芽の位置から地表までが5cmほどの深さになるように植え込みます。少し周囲より高めになるようにします。冬にはまわりから土を株元に寄せておくと安全です。
 鉢植えは管理が難しいものの、6号鉢で2本は咲かせることができます。しかし十分肥培しないと開花は難しいでしょう。

手入れ
 1番の問題はボトリチス病(灰色かび病)の防除です。この病菌に侵されると蕾が出ても途中でだめになって咲きません。発芽後から開花までに2回、後に2 回ほど、ベンレートなどの殺菌剤を散布して予防につとめます。ボタンとも共通の病気ですが、ボタンの方が花は咲かせやすいでしょう。
 茎が密生して細いものが増えた株では、力のある太いものを育てるために、日陰にできたやせた茎は思い切ってねじるように抜き取り、残した見込みのある茎を充実させます。
 花後には花がらを取り、追肥に緩効性の粒状の肥料をまわりにまき、浅く耕してやります。
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