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病害虫・生理障害

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ハクサイ

リン欠乏

データ作成年月日:2003/06/10

写真1

写真2

症状

全体の生育が衰え、下位葉から枯死する。写真はリンを欠如した1/2園試処方の培養液で再現した時の様子。処理18日目には全体の生育が抑えられ、下位葉の黄化が始まる。またこの時、新葉は幅が狭く、楕円形に変形した(写真1)。その後下位葉の黄化が進行するとともに、26日目には下位葉から枯死した(写真2)。

原因

通常の農耕地ではリン酸肥料を使用しなくても、このような欠乏症が出ることはまずない。これはリンが土壌に施用された後、土の中に残りやすい性質のためである。しかし、火山灰の新規土壌では、土のリン吸着力が強く作物に行き渡らないため、問題が出ることもある。

診断法

通常の圃場条件ではまず発生しない。土壌の種類や栽培来歴をまず確認する。極端な欠乏では、下葉の黄化から始まり、葉の変形や立ち気味になったりするので確認する。ハクサイの場合、リン欠乏の目安は含有率で0.1%以下とされている。

対策

リン酸肥料の施用を行う。また土壌のpHが低い場合は、石灰資材などで土壌の酸度を矯正する。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。