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病害虫・生理障害

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ハクサイ

心腐れ症(縁腐れ症)

データ作成年月日:2003/06/10

写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

写真6

写真7

症状

写真1〜7は試験場内でチッソ過多や水分欠如で再現したハクサイの各種心腐れ症状。写真1〜3のようにハクサイを切断して内部より褐変症状が現れる場合と、写真6、7のように結球上部が褐変している場合がある。通常は写真4、5のように葉先が褐変する。時には写真3のように通導組織が褐変することもある。

原因

施肥の過多、特にアンモニア態チッソが多い時、あるいは土づくりを急ぎ、チッソ成分の多い、牛ふん堆肥などを多量に施用した時に発生する。標準チッソ施肥量の5割増しでも本障害は再現できる。また、降水量の少ない年に発生が多いが、定植後数週間の過乾燥も影響する。心腐れの発生部位の違いは乾燥時期の違いでもある。

診断法

原因はチッソ過多か一時期の過乾燥である。チッソ過多の影響が最も大きいので、堆肥チッソも考慮して施肥量を確認する。一方、生育初期の過乾燥も本障害発生に影響する。栽培期間中の雨量を、障害発生の少ない年と比較するとよく理解できる。

対策

チッソ施肥量を控える。品種間差も大きいので、品種選択も重要。症状発生部位を分析するとカルシウム含有率が低いが、カルシウム剤の葉面散布は全く効果がない。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。