- PROFILE -
池口英明
入社後より花の育種を担当。2001年に和歌山県にある研究農場印南試験地へ赴任しユーストマやリモニュームなどを担当。滋賀県のタキイ研究農場帰任後幅広い品目を経験し、ひまわりの育種を担当する。
第3回目となるこちらの記事では、「サンリッチUP(アップライト)」シリーズの開発秘話をご紹介。
今回はタキイ公式キャラクター「タキーナちゃん」も一緒に、開発の秘密に迫ります!
私はお花が大好きなタキイのマスコットキャラクタ−❁
「サンリッチUP(アップライト)」の秘密、沢山きけるといいな〜!わくわく♪
タキーナちゃん
「サンリッチUP(アップライト)」シリーズは、世界初の真上を向いて咲く切花向けひまわりのシリーズです。開花特性は45日タイプで開花揃いが良く、サンリッチの品質はそのままに栽培が可能です。まっすぐに上を向くため、選別・箱詰が容易で作業効率に優れ、ラウンドブーケやアレンジメントにも最適です。
上から吊るした鏡に映る
サンリッチUP(アップライト)
2020年の発売以来、多くの方々に愛される「サンリッチUP(アップライト)」シリーズ。その誕生の秘密を開発者である池口氏に聞きました。
- PROFILE -
池口英明
入社後より花の育種を担当。2001年に和歌山県にある研究農場印南試験地へ赴任しユーストマやリモニュームなどを担当。滋賀県のタキイ研究農場帰任後幅広い品目を経験し、ひまわりの育種を担当する。
ヒマワリに限らず品種開発をおこなうにあたっては、まず育種の目標や品種のコンセプトが定められます。サンリッチUPの開発にあたっては、アレンジメントやミニブーケにいままで以上に使いやすいヒマワリを創ること、そのようなヒマワリができたらこれまで以上に切花ヒマワリの流通量が多くなり切花業界に貢献できるのではないかという発想から始まりました。そして、そのイメージはガーベラのようにしっかりと真上を向いて咲くヒマワリにかたまり品種育成がスタートしました。この目標を達成するため、元々は東を向いて咲くヒマワリに選抜・交配を重ね、約10年もの時間をかけてようやく十分な栽培性・品質をもつ真上を向いて咲くヒマワリを完成させることができました。
じゅ、10年!!?
沢山の時間と試行錯誤を経て完成したのね!
“UP”はアップライト(Upright)の略で、アップライト(Upright)とは「直立」「まっすぐ立つ」という意味を持つ英語からきています。いままでにない真上を向くという性質はひまわりの概念を覆し見た人を驚かせました。
左:サンリッチUP(アップライト) 右:従来の品種
従来の品種と比べると一目瞭然!
発表当時のみんなの反響が気になる〜☆
このシリーズは、従来のサンリッチ45日タイプと同様に栽培でき、選別・箱詰が容易で作業効率も高いと、当時から好評の声を頂きました。また、この「真上を向いて咲く」特徴が結構話題になり、展示会に出展したときには出席者から大きな注目を集めたんです。のちに、プロのフラワーアレンジメントデザイナーさんが「上を向くひまわりのおかげで、今までにないアレンジができるようになりました!」と、SNSで投稿されていることを偶然見かけたりもしました。“花の向きが変わる”というのは小さなことかもしれませんが、ここまで美しさの幅や利用価値が広がることに、私自身も大きな驚きを覚えました。
すごい!!
小さな変化がお花の可能性を大きく広げたのね。
進化するサンリッチ、これからもすごく楽しみ♪
一番の特徴がガーベラのように真上を向く咲き方のため、生花店での店頭アレンジメントなどに使いやすい小作りがおすすめです。
営利栽培では花径は6-10cmくらいを目指し密植気味の栽培がよいでしょう。また、極早生45日タイプかつ真上を向くため切花長は従来品種よりやや低くなります。早出し作型や抑制作型では、真上は向きませんが従来の50日タイプや55日タイプのほうが草丈の確保が容易で適しています。
*栽培条件によってはまれに花首が傾いて開花することがあります。
サンリッチUP(アップライト)混合
タキーナちゃん
お花が大好きなタキイのマスコットキャラクター。
頭にはいつもかわいいお花をかぶっていて、いつもとってもいい香り。
友達には野菜が大好きな男の子「タキットくん」がいるよ。