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2013.04.09 |
タキイ種苗は、その苦味から子どもの嫌いな野菜の常連である「ピーマン」のイメージを変える品種として、肉厚ジューシーで苦くない『こどもピーマン』について紹介します。 ピーマンは、栄養価の高い緑黄色野菜で、カロテンやビタミンCなどを多く含みます。産地から年中供給され、食卓でも色々な料理に使われる重要な野菜ですが、栄養が豊富にも関わらず大人から子どもまでピーマンが嫌いという人が多いのも現状です。その中でも、子どもが嫌いな野菜の代表とされることが多く、<2012年度野菜と家庭菜園に関する調査>(※)では「子どもが最も嫌いな野菜」で、第2位になっています。その主な原因はピーマンの特長的な「苦味」であると言われています。この苦味は渋みを感じるポリフェノールの一種「クエルシトリン(quercitrin)」に、ピーマンの香気成分が加わることでピーマンの苦味として感じられることがわかっています。 『こどもピーマン』は、この物質「クエルシトリン」が少ないため、これまでのピーマンに比べて苦くない品種です。さらに、一般のピーマンに比べ、ビタミンCは約1.5倍、カロテンは約2倍、栄養価が高いことも特長です。そのため、これまで調理に工夫をして何とか子どもたちにピーマンを食べさせていた家庭でも、『こどもピーマン』は子どもがすすんでおいしいと食べてくれるピーマンになっています。 また、その形も特長的で長さ約10cm、重さ40gほどの使いきりサイズで果皮はスムースでツヤのある濃緑色です。一般的なピーマンやパプリカとは形状が異なり肉厚でジューシーなことから、お弁当のおかずや朝ごはんなど様々な料理で幅広く活用可能です。 新学期にピーマン嫌いが多い子ども世代(幼稚園〜小学生)がいるご家庭で、様々な『こどもピーマン』のレシピに挑戦して、楽しくピーマン嫌いを克服してみてください! |
こどもピーマン | |
苦味が少なく、肉厚でジューシー、食べ応え十分! ビタミンC・カロテンが豊富で、キュートな果形! |
◆『こどもピーマン』の開発秘話 | ||
こどもピーマンの元となっているのは、メキシコで有名なハラペノと呼ばれるトウガラシ。ハラペノは、肉厚でジューシー、生でも熱を通しても非常においしい品種で、日本ではその強烈な辛さで有名です。この品種のおいしさを日本で紹介したいと思いましたが、この辛さでは受け入れられません。 そのような中、メキシコ向けトウガラシを育成して検定を重ねる途中で、偶然にも全く辛くない個体が見つかりました。(辛味成分のカプサイシンは全く含みません)この個体から日本に向く『こどもピーマン』の育成を開始しました。 その後、育成者の「ピーマン嫌いの子供たちをなくしたい」という思いから約10年の歳月をかけ、品種改良され、完成した『こどもピーマン』は、果肉の厚さが往来品種の2倍以上で、水分含量が多いことがジューシーな食感を生んでいます。さらに、子どもに必要な栄養であるビタミンC、カロテンが豊富です。 (右図参照) | ||
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◆こどもピーマンの成分について | ||
・苦味成分(クエルシトリン)が少ない | ||
食品に含まれる苦味には様々なものがあり、例えばコーヒーに含まれる「カフェイン」やキュウリに含まれる「ククルビタシン」などはよく知られています。しかし、ピーマンの苦味成分については、これまで明らかにされておりませんでした。そこでタキイ種苗では、お茶の水女子大学の協力のもと、2010年に発売を開始した苦味の少ない『こどもピーマン』と、従来のピーマンとの成分を比較することにより、今回初めて苦味成分を解明することができました。 従来のピーマンと『こどもピーマン』の果実成分を比較したところ、従来品種に含まれる成分が『こどもピーマン』には含まれないことを発見し、この物質が「クエルシトリン」(ドクダミに多く含まれるポリフェノールの一種)であると特定しました。(下図参照) | ||
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「クエルシトリン」は苦味ではなく“渋み”を感じることから、さらに食味評価を行った結果、この「クエルシトリン」にピーマンの香気成分(「2-isobutyl-3-methoxypyrazine」と呼ばれるピラジンの一種)が加わることでピーマンの苦味として感じられることがわかりました。 また、糖の中でも甘味度の高いフラクトースの割合が高く、従来品種よりも甘味があります。パプリカより酸っぱくないクエン酸の含量が、パプリカの7分の1程度で、酸味が少ないピーマンです。 |
ピーマンの苦味成分の資料 |
◆4月9日『よいPマンの日』について |
冬春期のピーマンの主産地である茨城県、高知県、鹿児島県、宮崎県の4県JAグループ(JA全農いばらき、高知県園芸連、JA鹿児島県経済連、JA宮崎経済連)で組織する「がんばる国産ピーマン」プロジェクトが制定。ピーマンの出荷量が増える4月により多くの人においしいピーマンを食べてもらうのが目的。日付にはPと9の形が似ていることから「よい(4)P(9)マン」「4県のPマン(9)マン」の語呂合わせなどから。 |
◆『こどもピーマン』の育て方 | |||
○苗の植え付け | |||
ピーマンは育苗期間が長いので、苗を購入して育てるのがよいでしょう。基本的には普通のピ―マンと同じになりますが、細根が少なめのため、定植時の活着にやや時間がかかります。 苗の植え付けは、5月上旬から中旬ごろに行います。植え付けは、1番花が開花する前ぐらいが適期になります。植え付け後は50cmほどの茎に、仮支柱を立てます。 |
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○整枝(仕立て方)・誘引 | |||
活着後、草勢が安定したら、第1次分枝までの側枝はすべて取り除き、第2次分枝の4本を主枝とします。その後は、放任栽培にできますが、ふところの枝を整理して、光が奥まで入りやすくします。また、定期的に追肥を行います。 15℃以下で生育が鈍り、10℃以下になると生育が停止し、短形果や曲がり果が発生しやすくなります。 |
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○収穫 | |||
開花後4週間で収穫できます。 次々と果実がなるので取り遅れないように注意してください。 果面のひびが食べごろサインです。 |
参考資料<タキイ種苗 2012年度 野菜と家庭菜園に関する調査> |
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2012年 野菜と家庭菜園に関する調査 資料 |
◆こどもピーマンレシピ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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