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幼苗期の子葉から結球期の外葉に至るまで、生育の全期間にわたり発生する。子葉では、短時日のうちに黄化、黒変し、縮れて枯死する。成葉では、初め葉縁が水孔付近から黄化し、次いで葉脈が黒変する。やがて淡黄色不整円形の病斑を形成して拡大し、全葉に及ぶにともない、枯死、乾燥して薄い紙のようになる。根の維管束には黒変が見られる。

病原：細菌　ザントモナス　キャンペストリス　pv．キャンペストリス
本病原細菌はハクサイのほか、ほとんどすべてのアブラナ科作物に感染する。極めて乾燥に強く、被害作物残さとともに土壌中で生存し、根の傷から感染したり、雨滴によってはね上がって茎葉の傷や水孔から感染する。感染後は道管を伝って体内各部に急速に伝搬する。また、本病原細菌は種子上で生存し（種子伝染）、種子の発芽とともに急速に増殖して感染し、本圃での発病の原因となる。
降雨の多い５〜６月、９〜10月頃発生が多い。

連作を避ける。消毒済みの種子を、無病の床土に播種して育苗する。本圃では、発病株をできるだけ発生の初期に発見して抜き捨てる。発生を見た圃場では、収穫残さはすき込まず、圃場外に搬出して処分するか、地中深く埋める。キスジノミハムシやヨトウムシなど土壌害虫を防除して、地下部の傷を少なくするよう努めるほか、管理作業などの際、茎葉部に傷がつかないように留意する。
防除薬剤としては、コサイド3000、Ｚボルドー（いずれも銅水和剤）が野菜類の黒腐病に登録されている。銅剤は、苗などで薬害発生の恐れがあるので注意して使用する。若い苗への使用は避け、薬害を軽減するため炭酸カルシウムを使用する。収穫直前では汚染するので使用は避ける。生物農薬としてベジキーパー水和剤が登録されている。