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リン欠乏

データ作成年月日:2005/02/09

写真1

写真2

症状

 生育が抑制されるとともに、下葉の先端から黄化、枯死する。写真はリンを欠如した1/2園試処方の培養液で再現した時の様子。写真1は処理17日目で、下葉の枯死が見られる。またこの時、枯死した葉はほかの障害の場合より赤っぽい印象を受けた。写真2は処理28日目の様子。完全培地区(左)に比べて生育が劣り、下葉が枯死していることが分かる。

原因

 通常の農耕地ではリン酸肥料を使用しなくても、このような欠乏症が出ることはまずない。これはリンが土壌に施用された後、土の中に残りやすい性質のためである。しかし火山灰の新規土壌では、土のリン吸着力が強く作物に行き渡らないため、問題が出ることもある。

診断法

 通常の圃場条件ではまず発生しない。土壌の種類や栽培来歴をまず確認する。極端な欠乏では、下葉の黄化から始まり、葉の変形や立ち気味になったりするので確認する。

対策

 リン酸肥料の施用を行う。また、土壌のpHが低い場合は石灰資材などで土壌の酸度を矯正する。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。