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鉄欠乏

データ作成年月日:2005/02/09

写真1

写真2

写真3

症状

 新葉の葉脈間が黄化することから始まり、やがて葉全体が黄化する。写真は鉄を欠如した水耕栽培で再現した時の様子。症状は、発生は早く、写真1は処理4日目には早くも上位葉に縞状の黄化が見られているところ。処理11日目には新葉全体が黄化するようになる(写真2)。写真3は処理28日後の様子で、新しい葉ほど黄化が激しくなっている。

原因

 土の中には鉄はたくさん含まれており、絶対量が不足することはほとんどない。しかし、土壌のpHが高くなると鉄は水に溶けなくなり、結果的に欠乏症を示す場合がある。

診断法

 症状は上位葉から発生し、葉脈を残して黄化するので、症状を確認する。後は土壌pHを確認すること。

対策

 一時的には、硫酸鉄やキレート鉄の土壌潅注が効果がある。また土壌pHが高い場合、アルカリ資材の仕様を見直し、硫安などの酸性肥料を用いるなど、土壌pHの矯正に努める。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。