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鉄欠乏

データ作成年月日:2003/02/03

写真1

写真2

写真3

症状

写真1はニッケル5ppmの水耕栽培で生じた鉄欠乏症状。新葉部の葉色が淡い。写真2は亜鉛5ppmで生じた鉄欠乏症状、新葉が黄色くなっている。写真3は鉄欠如栽培で生じた鉄欠乏症状。重金属元素過剰による鉄欠乏症状の方が鮮明である。

原因

pH6以上の水耕培地に、重金属元素を添加すると、容易に鉄欠乏症状を生じる。これはEDTAと重金属の結合力が鉄よりも強く、大部分の鉄は遊離して水酸化第二鉄Fe(OH)3として沈澱するためである。

診断法

水耕液の場合はpHを調べる。土耕の場合もpHは重要で、アルカリ土壌では鉄欠乏が生じやすい。

対策

水耕の場合はpH矯正後、鉄を添加する。しかし、Fe:3ppmを超えると過剰障害が出るので注意のこと。キレート鉄では1ppmでよいとの意見もある。土耕の場合は0.1〜0.3%の硫酸第一鉄またはキレート鉄20ppmを1m2当たり、10リットル土壌潅注すると効果が出るが、土壌pHの矯正など根本的な対策が重要。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。