調べる

上位葉の両脇から水浸状に枯死し、生長点部分は芯枯れとなる。写真はカルシウムを欠如した養液栽培で再現した症状。まず最初、処理から７日目に上位葉の両脇が水浸状にしおれることが観察された(写真１)。その後葉の中央部は伸長を続けるが、葉の縁は枯死するため、葉が内側にカップリングした(写真２)。その後新たに展開する新葉は、小さい段階で枯死し、芯枯れの症状となる(写真３)。

土壌中で絶対量が不足して発生することは少ないが、土壌中のチッソやリンの過剰により吸収バランスを崩して発生することがある。この場合、土壌中にカルシウムがたくさんあっても発生することがある。体内の再移動は少ないため、常に供給されている必要がある。また、土壌が乾燥した時に発生が助長される。

障害は上位葉から発生し、先端付近が水浸状に枯死することが多いので症状の出方を確認する。また土壌診断を行い、交換性カルシウム量をチェックする。土壌が乾燥状態にあるかどうかも重要である。

塩化カルシウムやキレートカルシウムなどの葉面散布も有効であるが、効果は高くない。そのほか、チッソやリンの過剰な施肥を避け、土壌の過乾燥にも注意する。pHの低い土壌では炭酸カルシウムや苦土石灰の施用を行う。