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病害虫・生理障害
ホウレンソウ
チッソ欠乏
データ作成年月日:2003/06/10
症状
写真1〜4は土耕でのチッソ欠乏症状。写真1の左は三要素施用区。チッソ欠乏では、葉が全体に黄色く、葉先の方は白くなっている。よく観察すると、写真3に示すように新葉の方はまだ緑色が強い。写真4は左より、既耕地の土壌で、三要素のうちチッソ欠如、リン欠如、カリウム欠如での栽培結果。チッソ欠如の影響が大きく、リン、カリウムを欠如してもこれらの欠乏症状は土壌に前作の養分が残っているため、通常はこのように欠乏症状が出にくい。
原因
写真4の結果で、奇異に思われる方もおられると思うが、チッソは有機態でも尿素あるいはアンモニア態であっても、畑状態では微生物の作用により、硝酸態チッソに変化する。硝酸態チッソはNo3−とマイナスに荷電しているため、同じくマイナス荷電の土壌コロイドと互いに反発しあい、雨とともに流亡しやすい。カリウムはK+とプラス荷電で、粘土粒子に結合されやすく、リンはマイナス荷電だが、カルシウム、鉄などと結合しやすく、溶解度が低く流亡しにくい特徴がある。
診断法
チッソ欠乏症状は葉の黄化、クロロシスが特徴で、黄化は旧葉より生じる。低度のチッソ欠乏では葉色が全体に薄く、生育が旺盛でないことより診断できる。
対策
チッソ肥料の施肥。写真4でも明らかなように、土耕栽培ではチッソの影響が最も出やすい。適正施肥に努めること。
ご注意
生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。
従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。
また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。