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タマネギべと病

データ作成年月日:2023/1/25

写真1(SK)

▲葉に楕円形から不整型の黄色病斑を形成し、病斑部から折れて垂れ下がる

写真2(SK)

▲典型的な病斑の拡大

写真3

▲多湿時は病班上にかびを形成

症状(診断)

本病の症状には、全身感染型と二次感染型という二つの型がある。
全身感染型は、秋に感染した病原菌が冬季間に全身へ蔓延し、春2〜3月になって発病するものである。葉が光沢のない淡黄緑色になり、生育も遅れ、横にやや湾曲する。早春の温暖多湿条件下で、全身に白色のつゆ状または暗紫色のかびを生じる。
二次感染型は、春・秋に発生し、葉・果梗に長卵形ないし楕円形の黄色がかった大型斑点を形成し、多湿時には斑点状に白または暗紫色のかびを生じる。被害葉の多くは病斑部で折れて枯死する。

発生の仕組み

病原:糸状菌(かび) ペロノスポラ デストラクター
病原菌は、鞭毛菌類に属し、人工培養のできない純寄生菌である。有性器官として卵胞子を形成し、罹病残渣や土壌中で10年以上越冬生存するとされる。秋期(10〜12月)に、前年度に形成された感染源(卵胞子)から、タマネギ苗に感染する(苗床または定植苗)。罹病苗は、圃場に定植され、1〜2月頃、生育の悪い、湾曲した、色あせた苗になる(一部の株は枯死することもあるが、生存した株は越冬罹病苗(全身感染型):1次感染)となる。越冬罹病苗では、分生子が形成され、圃場内で蔓延する。罹病株では、葉に黄色の楕円形の病斑を生じ(2次感染型)、病斑上に多数の分生子を形成して、2次伝染を繰り返す。
ネギ、ワケギに越年罹病株があり、これらからも伝染する。
気温15℃前後、日照不足で雨の多い年に多発し、4〜5月にかけて曇天が続くと、多発する。排水不良で多湿な圃場で発生が多い傾向がある。

防ぎ方

排水の悪い圃場では高畝栽培とするなど、圃場が過湿にならないようにする。健全な苗を植え付ける。越年罹病株から被害が拡大する。圃場での発病株は見つけしだい除去する。発病圃場で連作すると被害が増加する。
防除薬剤として、オロンディスウルトラSC、リナセル顆粒水和剤、ピシロックフロアブル、ザンプロDMフロアブル、ランマンフロアブル、ワイドヒッター顆粒水和剤、カーゼートPZ水和剤、レーバスフロアブル、ホライズンドライフロアブル、リドミルゴールドMZ、べトファイター顆粒水和剤、ジマンダイセン水和剤などを散布する。薬剤防除は、多発すると効果が得られないことがあるので発病初期に散布する。

ご注意

文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。

農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。

農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。

本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。

病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。