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よくあるご質問(Q&A)

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Q1「青刈り」とはどういう意味ですか?
Aとうもろこしや麦類など、食用となる作物を種子や子実が実る前に収穫し、家畜の飼料用に利用することです。「青刈りとうもろこし」,「青刈りえん麦」などがあります。
Q2「サイレージ」とはどういう意味ですか?
Aサイレージとは、飼料の長期保存を可能にするために、収穫した牧草をサイロなどに詰め、乳酸などで発酵させたものです。例えば飼料用とうもろこしは、秋に収穫しただけではすぐに家畜に与えないと腐敗してしまいますが、発酵させてサイレージにすると、数カ月〜翌年の秋の収穫までの間、保存させることができます。その結果、一年を通して計画的に飼料を給与することが出来るようになります。
Q3とうもろこしのRMとはどのような意味でしょうか?
A相対熟度(Relative Maturity)のことで、アメリカでのとうもろこしの早晩性を表す数字です。
あくまでも相対的な目安であり、スイートコーンのように、播種してから収穫するまでの日数を表しているものではありません。北海道では道東でRM75程度、道南でRM110程度の品種が利用され、九州ではRM113〜125位の品種が利用されています。二期作の場合はさらに遅い物を利用します。
Q4TDNとは何ですか?
A「可消化養分総量」(Total Digestible Nutrients)の略で、飼料の栄養価の指標となるものです。
飼料用とうもろこしでは、「新得方式」という推定TDNの計算方法があります。
(TDN=0.582×茎葉乾物収量kg/10a+0.85×雌穂乾物収量kg/10a)。
Q5秋の飼料用とうもろこしがあまり多く収穫できませんでした。何かその減収分を補う方法は無いでしょうか?
A関東以西の都府県などでは、えん麦の年内どりという栽培体系があります。えん麦を9月に播種し、年内に出穂させ、収穫してサイレージ利用等をするものです。その場合は、「九州14号」などの極早生のえん麦品種を利用すると、より確実に年内に出穂させることができます。
Q6寒冷地に向いている草種を教えて下さい。
A北海道から東北北部での牧草では、チモシーがよく利用されています。イネ科牧草の中では、最も耐寒性が強い草種で、道東の土壌凍結地帯でも問題なく越冬できます。北海道の非土壌凍結地帯では、オーチャードグラスの利用も多いです。収量が多いのですが、出穂後の栄養価の低下が早いことが欠点であり、収穫スケジュールに合った出穂時期の品種を利用することが重要です。
イネ科牧草とマメ科牧草との混播もよく行われます。採草地ではあかクローバー、放牧地ではしろクローバー等が利用されます。マメ科の植物は、根粒菌の働きによって空気中の窒素を取り込んでくれるので、窒素肥料の代わりの役目もしてくれます。また、春から秋にかけての栽培では、飼料用とうもろこしが多く栽培されます。栄養収量も多く、特に酪農の場面では重要な草種です。
Q7温暖地に向いている草種を教えて下さい。
A都府県では、飼料用トウモロコシを春に播種し、収穫後の秋にイタリアンライグラスを播種して翌春に出穂させ、収穫することが多いです。また、イノシシなどの獣害が多い地区では、飼料用トウモロコシの代わりに子実が大きくならないソルガムを利用して獣害を予防することもあります。
Q8放牧に向いている牧草を教えて下さい。
A放牧地では、牧草は家畜の蹄によって大きな力で踏みつけられます。そのため、刈取って利用する牧草とは違い、「踏みつけ」への抵抗性が強い品種を選ぶことが必要です。ペレニアルライグラス,トールフェスク,ノシバ,センチピードグラスなどが使われます。また、水田裏作などで春季だけの放牧利用であれば、イタリアンライグラスなどを利用することも有ります。
Q9ヤギや羊の放牧に適している牧草を教えてください。
A牛は舌を牧草に巻き付けて、引きちぎりながら食べるのに対して、ヤギやヒツジは上あごの歯茎と下あごの歯とで草をかみ切ります。そのため、低く刈っても枯れにくい草種を選びます。
ペレニアルライグラスやトールフェスクなどが適しています。
Q10ニワトリを放し飼いしている場所に、牧草のタネを播こうと思います。 どのような種類の牧草が良いでしょうか?
Aしろクローバーが草丈も短く、芝生のように拡がって生育してくれます。環境への適応性も北海道から九州まで大丈夫です。また、草丈は大きくなりますがアルファルファを利用するケースもあります。
Q11芝草の刈り草を牛に与えると、牛が腹痛を起こすと聞きましたが?
Aフェスク類やライグラス類の芝草用の改良種には、「エンドファイト菌」という菌を接種し、種子の中に生存させているものがあります。「エンドファイト菌」に感染している植物は、暑さなどのストレスに強くなったり、耐虫性が向上したりすると言われていますが、逆に家畜がそれを食べると、「アルカロイド」という、菌が産生する物質の影響でお腹を壊すことがあると言われています。タキイで販売している牧草用の種子には、このエンドファイト菌が入っていない品種を利用しています。
Q12家畜はクローバーなどのマメ科を喜んで食べますが、注意点はありますか?
A牛やヤギ・羊などの胃が四つある反芻動物では、第1胃(ルーメン)の中に非常に多くの微生物が住んでいます。クローバーなど、タンパク質の多いものを一度に食べると、その第1胃の中で異常発酵が起こり、「鼓張症」になることがあります。そのため、反芻動物には、マメ科牧草は多く与えないようにする必要があります。