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水耕栽培でリン酸を過剰に添加すると、初期は下位葉から、やがて全体に黄化し、葉脈付近に明確な斑点が認められたり（写真１）、葉脈間にクロロシスが発生する（写真２）。写真１の葉よりも上位にある葉は正常葉。写真３は土耕でのリン酸過剰症状。マグネシウム欠乏症状に類似した、葉脈間クロロシスが生じる。写真４は葉の１枚を拡大したもの。

チッソの効きすぎを抑えるために、リン酸を多量に施用する農家がいる。リン酸の過剰障害は比較的出にくいが、チッソ施肥量の２倍量を超すとよくない。３倍量では多くの作物で過剰障害が観察される。

既耕地では土壌中に多量のリン酸が蓄積していることが多い。土壌分析で判断できる。こうした圃場にリン酸を多量施用すると、ナスはマグネシウム欠乏症状を示す。

リン酸の施用を止める。土壌中のリン酸を不溶化するため、リン酸と結合しやすいアルミニウムを施用する方法がアメリカ、デンマークで研究されている。近年は、リン酸過剰の潜在的障害が問題になりつつある。