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酸性障害

データ作成年月日:2003/02/03

写真1

写真2

症状

希薄な硫酸液を添加し、pHを4.2に調整した土壌にナスを定植して生じた症状。中位葉の葉全体が薄くなる症状が観察された。葉の症状は、鉄欠乏症状やマグネシウム欠乏症状とも異なる。

原因

日本の畑土壌は石灰を全く施用しないでいると、次第に酸性化する。また、圃場整備の際、黒い土が望ましいとのことで海岸近くの川底の土などを客土すると、空気に触れて硫化物が硫酸に変わり、強酸性を示すことがある。これを硫酸酸性土壌というが、こうした酸性障害も意外に多い。

診断法

土壌酸性の影響はアルミニウム過剰障害を生じている場合が多い。pHが4.5以下になると土壌構成成分であるアルミニウムの溶解度が急激に増加するためである。

対策

硫酸酸性土壌の場合は、石灰の大量施用によるpH矯正が必要。一度中性域になっていても、また新たに硫酸が生じてくるので、数年間は土壌pHの確認と石灰施用が必要。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。