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モリブデン過剰

データ作成年月日:2004/09/09

写真1(RY)

写真2(RY)

写真3(RY)

症状

 全体的に生育が悪くなり、株全体がやや茶褐色を帯びる。さく果の外観には異常は見られないが、内部の種子の表面や根が茶褐色に着色する(写真1)。

原因

 写真1、2、3は、園試処方の完全培地(モリブデン0.01ppm)で20日間栽培後、モリブデン濃度をモリブデン酸ナトリウムで50ppmにして生じた症状。

診断法

 外観では判断がつきにくいので、種子の着色と葉中モリブデン濃度で判断する。健全葉が数ppmに比べて異常に高く、本実験の場合は2000ppm以上であった。また、根や培養液も同様に褐色に着色する。(写真2、3)。これは、モリブデンは植物色素(フラボノイドのo-ジヒドロキシグループ)と結びつき橙褐色を呈するためと考えられている。

対策

 モリブデン工場周辺の公害や人為的なモリブデン施用など、特殊な場合しか過剰症状は生じない。ほかの微量元素がpHを上昇すると被害が軽減されるが、モリブデンの場合は逆で、低pHの方がモリブデンの溶解度は低く、過剰障害の被害は軽減される。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。