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花弁・果実・葉・茎が侵される。初め花弁が褐色に腐敗し、罹病花弁が果実・葉・茎に付着して発病する。幼果では、褐色軟腐状に腐敗して落果する。茎や葉では、感染した花弁が付着したところから褐色不整形の病斑を形成し、湿度の高い時には、その表面に灰色のかびを生じる。茎では花弁が付着し、褐色となり、それより上部が萎凋枯死する。

病原：糸状菌（かび）　ボトリチス シネレア
被害植物上で菌糸または菌核を形成して越冬する。翌年、分生子を生じて伝染する。20℃前後の多湿条件下で発生が多い。施設栽培特有の病害で、早秋の多重被覆で被害が多い。

春先のハウス栽培では、ハウス内の湿度上昇が本病の発生を増加させる。ハウスの換気やハウス内全面マルチで湿度上昇を防ぐことが重要である。
薬剤防除では、ミギワ10フロアブル、パレード20フロアブル、アフェットフロアブル、カンタスドライフロアブル、ベジセイバー、シグナムWDG、セイビアーフロアブル20、スミレックス水和剤を散布する。
拮抗微生物を利用した生物薬剤としてボトキラー水和剤、インプレッション水和剤、ボトピカ水和剤、エコショットも利用できる。重曹を利用したハーモメイト水溶剤もあり、これらの薬剤は、多発すると防除効果が劣るので、発病初期から予防的に散布することが重要である。生物薬剤は、有機認証農産物に利用できる。

注．2003年の改正農薬取締法施行にともなって、これまであいまいであったピーマンとトウガラシ類の区別が明確になった。ここではピーマンに登録されている薬剤を示した。トウガラシ類に使用できないものがあるので注意されたい。トウガラシ類に対する登録はまだ少ないが、積極的に登録が進められており、今後も増える見込みである。