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ピーマンモザイク病

データ作成年月日:2024/1/26

写真1(HK)

▲葉のモザイク症状

写真2(HK)

▲葉の奇形

写真3(KO)

▲トウガラシ微斑ウイルス(PMMoV)による葉のモザイク症状。葉ずれや管理作業による接触でもウイルスが伝染する

写真4(KO)

▲キュウリモザイクウイルス(CMV)による黄斑モザイク症状。アブラムシ類で病気が広がる

写真5

▲苗に発生したえそ症状

写真6

▲果実のモザイク

症状(診断)

主に下記の(1)(2)のウイルスの感染による。(1)では、葉が縮れたり、緑の濃い部分と薄い部分が入り交じり、モザイク状になる。被害が進むと、茎の先端部が糸のような細長い葉になったり、茎にえそを生じて落葉したり、株全体が萎縮することがある。(2)では、初め黄化症状を示し、後に紫褐色のえそ斑点を生じて落葉する。若い枝や葉柄にもえそを生じる。
ほかにソラマメウイルトウイルス(BBWV-2)など、数種のウイルスが感染し発病する。

発生の仕組み

病原:ウイルス
 (1)キュウリモザイクウイルス(CMV)
 (2)トウガラシ微斑ウイルス(PMMoV)
 (3)アルファルファモザイクウイルス(AMV)
 (4)ソラマメウイルトウイルス2(BBWV-2)
 (5)パプリカ微班ウイルス(PaMMV)
 (6)トウガラシ班紋ウイルス(PepMoV)
 (7)ジャガイモYウイルス(PVY)
 (8)タバコ微班モザイクウイルス(TMGMV)
 (9)タバコモザイクウイルス(TMV)
 (10)トマトアスパーミィウイルス(TAV)
 (11)トマトモザイクウイルス(ToMV)

(1)アブラムシ類の寄生によってウイルスが伝染し、被害が広がる。(2)種子伝染・土壌伝染や感染植物の汁液に触れた手によっても伝染する。(3)汁液伝染、アブラムシによる非永続伝染(アブラムシの子孫を介しての伝染はない)、種子伝染。(4)アブラムシによる非永続伝染、汁液伝染。(5)汁液伝染、土壌伝染、種子伝染。(6)汁液伝染、アブラムシによる非永続伝染、接ぎ木伝染。(7)汁液伝染、アブラムシによる非永続伝染(モモアカアブラムシ、チューリップヒゲナガアブラムシ、ワタアブラムシ)。(8)汁液伝染、種子伝染。(9)接触伝染(汁液伝染、土壌伝染、種子伝染)。(10)汁液伝染、アブラムシによる非永続伝染、ハコベでは種子伝染。(11)接触伝染(汁液伝染、土壌伝染、種子伝染)。

防ぎ方

育苗時期にアブラムシの飛来を防止することが大切。アブラムシの発生の多い時期の育苗では、寒冷紗被覆下で栽培する。圃場では、シルバーポリマルチなどによってアブラムシの飛来を防止する。ウイルスによっては土壌伝染、種子伝染があるので注意が必要。PMMoVについては抵抗性品種「京鈴」「京ひかり」などがある。感染植物については早めに除去し、被害株に触れた手で、健全植物に触れないようにする。

注.2003年の改正農薬取締法施行にともなって、これまであいまいであったピーマンとトウガラシ類の区別が明確になった。ここではピーマンに登録されている薬剤を示した。トウガラシ類に使用できないものがあるので注意されたい。トウガラシ類に対する登録はまだ少ないが、積極的に登録が進められており、今後も増える見込みである。

ご注意

文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。

農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。

農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。

本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。

病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。