調べる

野菜

病害虫・生理障害

戻る

ホウレンソウ

マンガン欠乏

データ作成年月日:2003/06/10

写真1

写真2

症状

下位葉の葉脈間が黄化する。写真はマンガンを欠如した水耕栽培で18日目に見られた症状。また、この時は上位葉の伸長が抑制され、奇形葉となった。

原因

土壌のマンガン量は土壌の種類により異なり、潜在的に欠乏しやすい土壌もある。ホウレンソウのような石灰を好む作物の場合、石灰の施用により土壌のpHが上がり、マンガン欠乏を起こす場合もある。また露地では大雨の後、マンガンが流亡して発生しやすいという報告もある。ホウレンソウは比較的マンガン欠乏に弱い作物とされている。

診断法

新葉の奇形や下葉の葉脈間の黄化が特徴。土壌診断も有効で、pHが高すぎないか、交換性Mnなどの診断も行いたい。

対策

硫酸マンガンの施用が有効である。施用量は中性土壌でMnOとして、5〜10kg/10a程度、微アルカリ土壌で20kg/10a程度、また土壌のpHが高い場合は、石灰の施用を控えるなどしてpHの矯正に努める。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。