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病害虫・生理障害
ニンジン
ニンジン乾腐病
データ作成年月日:2024/1/26
症状(診断)
根部のみに発生する。初め根部に水浸状の染みが現れ、側根着生部の溝に沿って横筋状に発生するものが多い。病斑部は徐々に拡大して、円形ないし不整形の斑点となる。地際部に近い病斑は大型のものが多い。病斑部の色は、土中では無色水浸状のものと黒変しているものがある。収穫後、圃場に放置したり市場への輸送中に、病斑部はさらに黒変拡大するとともに、白色のかびが密生する。
発生の仕組み
病原:糸状菌(かび) フザリウム ソラニ f.sp.ラディシコラ
本病原菌は数種根菜類の根腐病を起こす。
本病原菌は典型的な土壌伝染性病原菌である。本病によって枯死した植物体の体内には、無数の厚膜胞子と呼ばれる、不良環境に耐え、長期間生存する器官が形成され、植物体が枯死して腐敗した後も、土壌中で数年から十数年間生存する。厚膜胞子の存在する土壌に宿主作物が栽培され、根が土壌中に発育して厚膜胞子の近傍に到達すると、厚膜胞子が発芽して根に侵入、組織崩壊を起こし、上記のような症状を呈する。
発病適温は27〜28℃である。
防ぎ方
病原菌は土壌伝染し、土壌中で長期間生存し、いったん病原菌の土壌中の密度が高くなると容易に低下しないので、前作物の残さは圃場に残さず、持ち出して処分する。また発病を見ないうちから、作物根の健全な発育を図るため、良質の有機質肥料を10a当たり2〜3t施用し、土壌反応の矯正と微量要素を補給するため苦土石灰を施用して、なるべく遠縁の作物との輪作を行う。
発病圃場ではバスアミド微粒剤による土壌消毒をする。
ご注意
文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。
農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。
農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。
本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。
病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。