スイカ用台木の上手な使い分け
現在、スイカ産地では90%以上でカンピョウによる接ぎ木が行われています。土壌病害の回避はもちろんですが、低温性を付与して低温肥大性をアップさせるねらいがあります。
(1)耐病性が安定し、高品質を求めるなら「FRきずな」が最適
「FRきずな」は、スイカ菌にはもちろんカンピョウ菌に対しても高い耐病性レベルをもっています。吸肥力は中位で、栽培後半の管理も容易です。特に「秀山」や「紅まくら」など馬力が強めの品種と組み合わせることで、一層良質な果実の出荷が期待できます。(2)土壌病害が問題ならカボチャ台木を
スイカ連作の産地では、土壌病害が問題になってきています。 最近ではカンピョウを浸すフザリウムカンピョウレースが、土壌に蔓延している産地も見られます。 そのような場合は、カボチャ台木で回避できます。しかし、草勢が強く管理しにくくなることと、スイカ果実の品質低下が心配されるので、確認のうえ導入しなければなりません。 中でも草勢がおとなしめの品種では、子葉が大きく接ぎ木しやすい「グリップ」がおすすめです。草勢をより強く生育させたい場合には「鉄かぶと」があります。スイカの台木(各種スイカ台木の特長)
台木の種類 | 特長 | 備考 |
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ユウガオ台 (カンピョウ) |
(1)低温に強い (2)接ぎ木しやすい (3)着果が安定する (4)果実の品質が安定する |
カンピョウつる割病発病圃場は、耐病性の「FRきずな」を使用する |
カボチャ台 | (1)低温にきわめて強い (2)生理障害の発生が少ない (3)吸肥力が強く草勢の強化によい (4)肉質や糖度はほかの台木よりやや劣る |
やせ地、砂地、強度連作地に使用する |
●スイカの台木