調べる

野菜

病害虫・生理障害

戻る

キャベツ

銅欠乏

データ作成年月日:2004/09/09

写真1

写真2

症状

 葉色が淡くなり、下葉が黄化する。写真は銅を欠如した1/2園試処方の水耕栽培で再現した35日目の症状、全体の生育が抑えられ、葉色が淡くなり、下葉から黄化した(写真1)。また中位葉にはまだらなモザイク状の黄化も見られた(写真2)。

原因

 銅欠乏の発生要因としては土壌の母材に銅が少ない場合や、有機物や粘土鉱物に吸着される場合、それからpHが高く、不溶性になる場合が考えられる。わが国では岩手県や北海道に腐植の多い銅欠乏土壌があることが知られている。

診断法

 症状的には亜鉛欠乏に似ているが、まだら状のモザイク模様が出る場合もあり、区別できる。蒸留水を用いた水耕栽培では比較的容易に発生する。土壌の腐植やpHが高い場合があるので、土壌診断も有効である。

対策

 欠乏土壌においては硫酸銅の10a当たり4kg程度の施用が有効である。葉面散布の効果もあるが、この場合発生の予防は可能でも、すでに発生してしまった症状には効果がないとされている。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。