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病害虫・生理障害

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鉄欠乏

データ作成年月日:2004/09/09

写真1

写真2

写真3

写真4

症状

 上位葉が葉脈部を残し退色する。写真は鉄を欠如した水耕栽培で再現した時の様子。障害は処理4日目に上位葉の葉色がわずかに退色することから始まり(写真1)、処理13日目には上位葉の黄化が顕著になった(写真2)。またこの時には新しい根の伸長が抑えられ、肥大する奇形(写真3)や軸の伸長(写真4)などの症状も見られた。

原因

 土の中には鉄はたくさん含まれており、絶対量が不足することはほとんどない。しかし土壌pHが高くなると鉄は水に溶けなくなり、結果的に欠乏症を示す場合がある。

診断法

 症状は上位葉から発生し、葉脈を残して黄化するので、症状を確認する。後は土壌pHを確認すること。

対策

 一時的には、硫酸鉄やキレート鉄の土壌潅注が効果がある。また土壌pHが高い場合、アルカリ資材の施用を見直し、硫安などの酸性肥料を用いるなど土壌pHの矯正に努める。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。