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病害虫・生理障害

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キャベツ

カリウム欠乏

データ作成年月日:2004/09/09

写真1

写真2

写真3

症状

 下葉の黄化から始まり、下葉の先端から枯死する。写真はカリウムを欠如した養液栽培で再現した時の様子。完全培地で栽培後、カリウムの欠如処理、約25日目に下葉が黄化する症状が見受けられた(写真1)。その後、黄化の進んだ下位葉の先端部には大きな枯死斑を生じた(写真2、3)。

原因

 土壌中にカリウムが欠乏して、症状が出ることは少ない。これはカリウムが植物遺体や鉱物に比較的多く含まれているためである。しかし、ほかの陽イオンと比べて水により流亡しやすい性質を持っており、砂地などでは欠乏の可能性もある。

診断法

 下位葉を中心に不整形で大きな枯死斑を作り、特徴的な症状を示すため、ほかの生理障害とは区別しやすい。また、作物体や土壌のカリウムの診断も重要である。それと施肥量の確認を行う。通常の施肥を行っている場合に欠乏症が出ることはまずないが、単肥で施肥した場合には入れ忘れることもある。

対策

 カリウム肥料の施肥を行う。キャベツのカリウム吸収量は10a当たり20〜25kg程度。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。