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病害虫・生理障害

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カルシウム欠乏

データ作成年月日:2004/09/09

写真1

写真2

写真3

症状

 上位葉の生育が抑えられ、スポット状のネクロシスが見られる。写真はカルシウムを欠如した養液栽培で再現した症状。まず最初、処理から8日目に上位葉の両脇に近い部分に水浸状の枯死斑が観察された(写真1)。一般的にカルシウム欠乏症の場合、葉の先端部ではなく両脇から症状が出ることが多い。その後、枯死斑の現れる部分が拡大し、上位葉の生育も抑制される(写真2)。

原因

 土壌中で絶対量が不足して発生することは少ないが、土壌中のチッソやリンの過剰により吸収バランスを崩して発生することがある(特にチッソ)。この場合、土壌中にカルシウムがたくさんあっても発生する。体内の再移動は少ないため、常に供給されている必要がある。また、土壌が乾燥した時に発生が助長される。

診断法

 障害は上位葉から発生し、葉の最先端ではなく、その付近の両脇からスポット状のネクロシスを示すことが多いので症状の出方を確認する。また、土壌診断を行い、交換性カルシウム量をチェックする。土壌が乾燥状態にあるかどうかも重要である。

対策

 予防策として塩化カルシウムやキーレトカルシウムなどの葉面散布が有効とされるが、効果は小さい。そのほか、チッソやリンの過剰な施肥を避け、土壌の過乾燥にも注意する。特にチッソの過剰施肥を避ける。pHの低い土壌では炭酸カルシウムや苦土石灰の施用を行う。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。