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マンガン欠乏

データ作成年月日:2004/09/09

写真1

写真2

症状

 上位葉の展開が抑えられ、下葉は黄化する。写真1、2はマンガンを欠如した水耕栽培で26日目に見られた症状。写真1は上位葉の葉先の展開抑制と枯死、写真2は下葉の黄化症状。

原因

 土壌のマンガン量は土壌の種類により異なり、潜在的には欠乏しやすい土壌もある。また、ホウレンソウのような石灰を好む作物の場合、石灰の施用により土壌のpHが上がり、マンガン欠乏を起こす場合もある。また露地では大雨の後、マンガンが流亡して発生しやすいという報告もある。多量の有機質資材の施用により不可給化することもある。

診断法

 新葉の展開抑制や下葉の葉脈間の黄化が特徴。土壌診断も有効で、pHが高すぎないか、交換性マンガンなどの診断も行いたい。

対策

 硫酸マンガンの施用が有効である。施用量は中性土壌でマンガンとして、10a当たり5〜10kg程度、微アルカリ土壌で10a当たり20kg程度、また土壌のpHが高い場合は石灰の施用を控えるなどしてpHの矯正に努める。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。