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培養土のつくり方

袋栽培などの容器栽培では、植物が根を伸ばす空間が限られていることから、培養土の条件としては、物理的に優れていて保水性・排水性がよく、化学的にも土壌pHが栽培する植物にとって適正で、しかも養分の吸着能力が高いことや、なるべく軽量であること、病害虫や雑草の種子を含まないことなどがあげられます。

これらの条件を満たす培養土はいくつかの素材を混ぜてつくることができます。

基本的な培養土の配合例

山土50%、砂10%、腐葉土または堆肥(たいひ)20%、ピートモス10%、バーミキュライト10%を混合した配合土(容積比)が用いられます。このときに培養土の土壌pHを中性から弱酸性とするために、10リットルの培養土に対して30g程度の苦土石灰(くどせっかい)を加えます。

このような土の配合作業は、タネまきや定植予定日の約3週間前に済ませておくことが必要です。

培養土への基本的な肥料の配合例(元肥の方法)

次に、培養土に加える肥料の量が重要です。タネをまく前や苗を定植する前に与える元肥の量は、栽培する植物の種類によって異なりますが、おおよその目安は、培養土10リットルに対して、たとえば有機配合肥料「こえ太くん」N(チッソ):P(リンサン):K(カリ)=6:9:6を用いた場合、30g程度です。

「マグァンプK」(N:P:K=6:40:6)のような被覆化成肥料では50g程度が標準です。

肥料を多く必要とする植物、または少なくてよい植物については、この量から多少増減して培養土に混合します。

肥料の培養土との混合は、栽培開始の1週間前までに済ませておきます。

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栽培する袋の準備

いよいよ袋に培養土を入れるときには、ポリエチレン製袋の場合、底にあたる側の袋の角の部分の両端を2cm程度切って水抜き穴とし、さらにその間の底にも直径1cm程度の穴をいくつかあけておきます。クギ(3〜5mmの太さ)を使って穴をあけることもできます。このままではこれらの穴から培養土が出てきますので、穴を塩化ビニール製のネットや寒冷紗などでふさぎ、その上に落ち葉(広葉樹の落ち葉が望ましい)を5cm程度入れてから培養土を入れます。

落ち葉を底に入れるのは、培養土の流出防止と落ち葉の層が保持する空気のスペースによる根の生育促進効果を期待するためです。

栽培する袋の準備

追肥の方法

培養土を袋に入れ、植物を植え付けたり、タネをまいたりして栽培開始後、表面の土が乾いてくれば水やりを行います。生育の初期には水のやりすぎに注意することが必要です。

畑などでの地植え栽培とは異なり、袋栽培では袋の容積が限られていますので、水やりの回数が多くなります。その結果、肥料分が流れ出して早く失われることになりますので、栽培期間の長い種類では、肥料切れを防ぐために追肥が必要です。

追肥の量は植物の生育の様子をみながら決めるわけですが、前述の粒状の有機配合肥料を用いた場合では、10リットルの培養土に対して20〜30gを与えるのが標準です。追肥の方法は簡単で、培養土の表面の株のまわりに肥料をばらまき、小さな移植ごてや竹べらなどで表層の土とよく混ぜるようにします。

筆者の大学で使っている培養土の配合例

<よい培養土の条件>

  • 保水性、排水性がよい。
  • 土壌pH(ペーハー)が栽培する植物にとって適正。
  • 養分の吸着能力が高い。
  • 軽量土であること。
  • 病害虫や雑草の種子を含まない。