調べる

高温期に、初め日中、茎頂部の葉が緑色を保ったまま萎凋し、夜間や曇雨天には回復する状態が、２、３日続いた後、萎凋が全身に及んで回復しなくなり、枯死に至る。病勢の進展は急速で、萎凋が始まってほぼ１週間以内に枯死し、隣接株への伝搬も急速なので被害は極めて大きい。
茎や根の維菅束は褐変しているが、萎凋病や半身萎凋病の場合ほど鮮明ではない。
被害株の基部を切断して水中に挿すと、細菌泥の噴出が見られる。

病原：細菌　ラルストニア　ソラナセラム
病原菌はナスのほか、トマト・ピーマン・タバコ・ジャガイモ・キュウリ・ダイコン・ダリア・マリーゴールドなど宿主範囲は広く、また病原性の違う系統が存在する。ナスを犯す系統は、台木に対する反応からⅠ〜Ⅴの５つの菌群に分類され、菌群は台木選定に重要となる。
病原細菌は典型的土壌伝染性病原菌であって、前作の被害作物残さ中で長期（２〜３年）間生存し、芽かき・摘芯・移植・中耕など管理作業でできた、地上・地下のあらゆる傷から侵入、感染する。感染後は、専ら導管内で増殖する。降雨・潅漑など土壌孔隙中や地表の自由水の移動によって伝搬する。

高温時に被害発生が多いナスの代表的な土壌伝染性病害である。有効な防除方法は、接ぎ木栽培で、青枯病抵抗性の台木を使用することで被害を回避できる。しかし、青枯病菌にはレースがあり、レースに対応した台木を利用する必要がある。現在、台太郎、トナシム、トルバム・ビガーなどが有望な台木。半身萎凋病との関係もあるので、病害発生に応じて選択することが大切。多発圃場ではクロルピクリンくん蒸剤（クロールピクリン、クロピクテープ、クロルピクリン錠剤）、バスアミド微粒剤などによる土壌消毒が必要となる。