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病害虫・生理障害
ナス
ナス褐斑細菌病
データ作成年月日:2024/1/26
症状(診断)
主に葉と花蕾・花柄が侵されるが、茎や果実にも発生することがある。葉では、初め褐色〜黒褐色で不整形の小斑点を生じ、次第にこれが癒合して大型病斑になる。病斑にはしばしば同心輪紋が現れる。激しく侵されると葉は巻いたり湾曲する。花蕾では、がくの一部に灰色の斑点を生じ、後に花蕾全体に及ぶことが多い。果柄が侵されることも多く、着生する花蕾の全部が枯死する。葉柄・茎は比較的若くてやわらかい部分が侵される。茎では、灰色に変色腐敗して茎を取り巻き、それから上部は枯死する。果実では、ヘタの部分から発病し、果実に移行して腐敗する。
発生の仕組み
病原:細菌 シュードモナス チコリ
ナス以外に2、3のナス科植物にも感染するが、ナス以外の実害は少ない。
本病原細菌は土壌中で生存し第一次伝染源となる。発病株からの伝播は風や接触によって蔓延するほかに、降雨や潅水にともなう水滴の飛散によって蔓延する。
発病適温は20〜23℃であるが、17℃前後でも発病する。そのため、施設内での本病の発病は12月〜3月の低温期に限られ、しかも温度管理が不十分で低温、多湿の施設で多発する。
防ぎ方
施設内の温度管理に留意し、湿度をできるだけ低く保つようにする。潅水は葉面上には掛けないようにする。マルチ栽培として土のはね上げを防止すると被害は減少する。
薬剤防除:防除薬剤(野菜類褐斑細菌病)としてコサイド3000、Zボルドーが利用できる。
ご注意
文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。
農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。
農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。
本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。
病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。