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トマトマグネシウム欠乏に対する葉面散布の効果

監修:渡辺和彦、牧浩之
事例提供:兵庫県立農林水産技術総合センター

症状

養液土耕栽培に発生した症状。
果実が肥大し始める時期に発生し、果実周辺から上下に向けて、葉が葉脈を残し、黄化した。葉分析の結果から、障害発生葉は健全葉に比べマグネシウム含有率がやや低く、マグネシウム欠乏症と診断された。
対策として、硫酸マグネシウム1%水溶液を週に1回、2週間、計2回噴霧器で葉面に散布した。

養液土耕トマト 生育異常 葉分析結果
  P Ca Mg Fe Mn B Zn
% ppm
上位葉 健全葉
障害葉
0.68
0.60
1.51
1.29
0.35
0.39
269
90
886
798
16
13
35
18
中位葉 健全葉
障害葉
1.68
1.15
3.10
1.96
0.65
0.40
103
110
324
687
55
41
31
29

(P:リン酸、Ca:カルシウム、Mg:マグネシウム、Fe:鉄、Mn:マンガン、B:ホウ素、Zn:亜鉛)

診断

上位葉のFe含有率にも差が見られたが、障害の発生が中位葉からのため、マグネシウム欠乏の可能性が高いと思われた。

処理前

処理後
処理1カ月後の写真。かなり回復してきている。

効果

無処理区では回復が見られず、葉面散布区ではその後完全に回復した。