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オリエンタル系ハイブリットユリ類の葉焼け症に対する鱗片はく離処理の効果

監修:渡辺和彦、牧浩之
事例提供:兵庫県立農林水産技術総合センター

症状

発生極初期の様相、若干の萎れが見られる

2日後には萎れていた部分が褐変する。症状の進行が速いため、順調に育っていたのが、ある日突然、急に葉焼けができたように見え、心理的にもショックが大きい。
1%の塩化カルシウム溶液を週に2回以上葉面散布することで、症状は緩和されるが、実用的な方法ではなかった。

原因

葉焼け症は、輸入凍結球を用いて高温時に定植する栽培で多発している。原因にはカルシウム欠乏や高温・日照とのかかわりが指摘されている。

診断

体内の養分と葉焼け症の関係を見ると、葉焼け症発生個体では、体内のカルシウム含有率が低いだけでなく、リン酸含有率が高くなっていた。
また、葉焼け症の程度は、植え付けた球根の重さに比例していた。
そこで、同一サイズの球根を用い、鱗片をはがし人工的に球根を軽くしたときの障害の発生を調べた。

鱗片はく離による葉焼け症の抑制と上位5葉中のP/Ca値の変化

対策

鱗片を2〜3枚はがして定植することで、葉焼け症の発生を抑制できた。
過度の鱗片はく離は生育を抑制するため、2〜3枚程度鱗片をはく離して定植するのがよい。