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エダマメの鉄欠乏に対するキレート鉄の潅注処理

監修:渡辺和彦、牧浩之
事例提供:兵庫県立農林水産技術総合センター

症状


エダマメの鉄欠乏症状

エダマメの鉄欠乏症と考えられる障害。新葉〜上位葉に発生し、葉脈間の黄化によるコントラストが美しくも見える。
普通、鉄の量が不足して欠乏症になることはあまりないが、鉄は土壌中のpHが高くなると水に溶けにくくなるので欠乏症を起こすことがある。

対策


土壌潅注7日後

対策としては、硫酸第一鉄やクエン酸鉄(0.1〜0.5%程度)の葉面散布も有効であるが、今回は新しいキレート鉄EDDHAを用いた土壌潅注の効果を試してみた。このキレート鉄は、弱アルカリ性でも水に溶けて植物に鉄を供給することができる。
この1%水溶液を1株当たり100ml土壌に潅注すると、7日後には下位葉から、また葉脈に近いところから回復が見られた。

効果

上は処理2カ月後の様子。ほぼ完全に回復しており、順調に生育している。障害が発生していた葉には若干の黄化(症状)が残っているが(写真左)、生育・収量には全く問題ない。