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芝生なんでも百科

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芝草の種類

芝草には「芝草の選び方」で触れたように、たくさんの草種と品種があります。そこで、自分たちが住んでいる地方の自然と、芝生の目的などによって賢明に選ばなくてはなりません。芝草の品種については別表に示しましたので、参照してください。

暖地型芝草(夏芝)

前述のように、高温の環境下でよく生育する芝草で、関東以西広く用いられています。寒さには弱いので、北海道などでは難しいでしょう。

ノシバ

日本でも広く自生している芝草で、東北や中国、九州などの山地に自生しています。

ノシバは夏芝の中では比較的低温に最も強く、寒冷地や高冷地でも使用されています。葉が広くて粗い感じはありますが、サッチの集積も少なく、手入れも比較的簡単です。古くから、わが国の仏閣、神社、庭園などに広く用いられてきました。家庭に用いられることは比較的少ないようですが、適地にはよい芝草でしょう。

コウライシバ

コウライシバは、わが国の夏芝の代表的なものといえます。現在日本でコウライシバとして流通しているものは、ほとんどが厳密にはコウシュンシバという種類です。ややかたい感じを与えますが、日本の風土にあった夏芝です。コウシュンシバのうち小型のものをヒメコウライシバなどと呼び、大型のものをチュウシバ、コウライシバと呼んでいます。

種子はなく、施工は、張芝で行います。

バミューダグラス

干ばつや暑さ、すり切れ、踏み付けに非常に強い芝です。サッカー場やラグビー場など、スポーツターフや人の出入りの多い公園などに利用されています。横に長く這う茎(ランナー)で拡がります。従来、芝質のよい矮性種は栄養系の品種だけでしたが、「リオ」というタネから芝生が育成でき、栄養系のティフトンに並ぶ芝質のものが開発されました。

センチピードグラス

和名で「ムカデシバ」といい、粗放管理にも耐え、ムカデのようなランナーで広がります。‘ティフ・ブレア’という耐寒性の強い品種が出てきており、その適応範囲も広がっています。

‘ティフ・ブレア’は雑草抑制の切り札ともいわれ、また一度定着すれば10年以上も地面を被覆してくれるので、最近では畦畔のグラウンドカバーのほか河川や法面、空港などでの利用が注目されています。

‘ティフ・ブレア’が雑草を抑制するメカニズムとしては、雑草を抑制する化学物質を分泌する「アレロパシー効果」が報告されていますが、そのほか、丈夫なランナーが縦横無尽に地表面を這うことで、物理的に雑草を抑えると評価されています。

畦畔では、雑草が減少することで雑草を目当てに集まってくる害虫の飛来が抑制され、水田ではカメムシによる斑点米の抑制が期待されています。