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亜硝酸ガス障害

データ作成年月日:2003/02/03

写真1

写真2

写真3

写真4

症状

写真1は、ハウス栽培で急に暖かくなる3月ごろによく発生する、一過性のガス障害の症状。油かすが急に分解したらしい。写真は現地で認めたもの。
写真2は、亜硝酸ガスで全滅したハウストマト。ガスの発生がいくらかおさまり、新しく伸長した葉は緑色をしているが、もろくて手でパサパサと折れる。
写真3は、一過性の症状とは異なっており、葉の先端よりも少し基部に近いところの黄化が激しい。アンモニアガス障害に比較するとやや白っぽい(写真4)。

原因

多肥で土壌pHが低いときに発生する。クロルピクリン処理や蒸気消毒で硝酸化成菌は死滅しやすい。通常は2〜3週間もすれば回復してくるが、土壌pHが低いとアンモニアから亜硝酸化成菌は活動していても、後半の亜硝酸から硝酸に転移する菌の働きが弱く、亜硝酸が蓄積し、酸性下ではそれがガス化する。

診断法

土壌と、ハウス内の露滴のpHが酸性を示すことより診断できる。

対策

対策は困難である。土壌中に多量のチッソが残っていることが多い。次作の前には除塩が必要。一度水田に戻すのもよい。障害が軽微な場合は換気をし、土壌pHが低ければ、石灰資材を散布するのもよい。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。