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キュウリ

ホウ素欠乏

データ作成年月日:2003/02/07

写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

写真6

写真7

症状

ホウ素欠如の水道水培地から、蒸留水使用のホウ素欠如水耕栽培に移して1週間後の状態が写真1で、上位葉の葉縁部が不規則に黄化し、果実からのヤニがまず観察された(写真2)。そして4〜5日遅れて、生長点部や葉縁部の異常な枯死(写真3)が見られた。その後、節間の長さは著しく縮まり、果実の発育はほとんど停止した。写真4〜7は、それから6週間後の状態だが、果実表皮のこれほどの異常はほかの要素欠如区では認められず、ホウ素欠乏症状の特徴。果実内部には、縦向きの亀裂や中心部のコルク化が観察された。

原因

水道水使用のホウ素欠如栽培では3週間経過しても特別な異常症状は発生しなかった。地下水や河川水には作物の必要最低濃度は含まれていることが多い。しかし、地域によって異なり、地下水や河川水でもホウ素無添加で栽培すると、ホウ素欠乏を生じることがある。土耕では、土壌pHが高くなるとホウ素が不溶化して欠乏症状を生じやすい。

診断法

ロックウール栽培などでは、微量要素の濃度は重要である。時々、専門機関に微量要素の分析もしてもらうのがよい。果実の類似の症状は、土耕栽培でもよく見かける(写真6、写真7)。

対策

水耕、ロックウール栽培ではホウ素の添加、通常B換算で0.2〜0.5ppm。土耕では、10a当たり0.5〜1kgのホウ砂の施用が一般的。ホウ素を多く含む市販の葉面散布剤を散布するのもよい。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。