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病害虫・生理障害

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キュウリ

リン酸過剰

データ作成年月日:2003/02/07

写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

症状

写真1は左より、リン酸9,6,3meによる栽培。3me(P:31ppm、P2O5:71ppm)が標準で、水耕液での過剰のリン酸補給は障害が出やすい。9meではリン酸カルシウムを形成して沈殿するため、カルシウム欠乏も併発し、根の伸長も悪い。写真2〜5は、標準の倍量(6me)区の下位葉の症状。土耕栽培でもほぼ同様の葉縁の黄化やそばかす状の斑点が下位葉に現れる。

原因

生育を制御しようとして、リン酸を土耕でも水耕でも施用する人がいる。土耕では過剰害が出にくいが、水耕では容易に過剰障害が発生する。

診断法

施肥量の確認。土耕でもトルオーグ法で土壌100g当たりP2O5:100mg以上はよくない。300mgは過剰と考えた方がよい。

対策

土耕ではリン酸の過剰障害は出にくいが、水耕では出やすい。適正濃度に努めること。

ご注意

生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。

従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。

また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。