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病害虫・生理障害
キュウリ
カルシウム過剰
データ作成年月日:2003/02/07
症状
写真1のように、葉の緑から白く枯れてくる。写真1、写真2は、園試処方0.5単位(Ca:4me)の水耕培地で、塩化カルシウムの形態でカルシウムを6me(Ca:120ppm、CaO:168ppm)に上げて生じた症状。硝酸カルシウムでも下位葉に類似の症状が現れる。写真3〜6は、12me区の下位葉に見られたもので、上位葉にこの症状は現れない。写真4はカルシウム過剰区の中〜下位葉にも現れた症状で、農家の水耕栽培でも時折見受けられる。
原因
山崎処方ではキュウリのCaは7meで栽培する。別に過剰症状は出ない。養分の過剰障害はほかの元素(特に、チッソ、マグネシウム)とのバランスも関与している。写真の実験では塩化カルシウムを用いているため、塩素の過剰害も危惧されるが、Ca追加分8meの塩素は4mMで、140ppmで通常は障害濃度以下である。
診断法
養分の過剰症状は下位葉から発生することが多い。微妙な過不足は化学分析により判断しないと分からない。
対策
水耕、ロックウール栽培では、ほかの養分濃度を高めに調整する。
ご注意
生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。
従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。
また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。