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野菜
病害虫・生理障害
キュウリ
鉄欠乏
データ作成年月日:2003/02/07
症状
写真1は定植後10日目。上位葉より黄化するが、根の生育も悪く、色も褐色がかっている。写真2はメキシコ砂漠の高pH下で生じた鉄欠乏症状。写真3は写真1の葉を拡大したもの。葉脈の緑は少し残っているが、ほぼ均一に黄化する。葉脈間に壊死症状が出ることはない。写真4は標準栽培区との生育比較。根色に注意。写真5はその後、標準培地に戻したもの。その後新しく伸長した葉は正常だが、一度鉄欠乏を生じた葉は回復しなかった。
原因
水耕、ロックウール栽培では、重金属元素などが混入したり、養液pHが高くなると容易に鉄欠乏が発生する。土耕では土壌pHが高い場合に鉄欠乏が発生する。
診断法
新葉の黄化が特徴。症状からもある程度診断できる。
対策
硫酸第一鉄または塩化第二鉄の0.1〜0.2%液の葉面散布も効果があるが、10a当たり2〜3kgのEDTA鉄を土壌潅注する方が効果が出やすい。
ご注意
生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。
従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。
また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。