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病害虫・生理障害
トマト
トマト苗立枯病・立枯病
データ作成年月日:2024/1/26
症状(診断)
ピシウム菌とリゾクトニア菌の2種類の病原菌が関係する。症状は、ともに発芽不良と発芽後の立枯れである。
ピシウム菌による場合:地際部の茎(胚軸)と根部が軟化、腐敗して倒伏する。
リゾクトニア菌による場合:地際部の茎(胚軸)が褐変してくびれ、倒伏する。
発生の仕組み
ピシウム属菌、リゾクトニア属菌による苗立枯病は、高温で多湿な環境条件で発生しやすい。
ピシウム属菌は、感染すると卵胞子や罹病残さ中の菌糸で土壌中に残り、感染発病を繰り返す。土壌水の多い条件下では遊走子という泳ぐ胞子を形成して伝染する。
リゾクトニア菌は、菌核や被害植物体に菌糸の状態で残り、伝染を繰り返す。多湿で未分解の有機物が多いと増殖して被害が発生する。
防ぎ方
病原菌に汚染されていない、新しい培土を使う。種子については種子消毒する。圃場の土を使う場合には、土壌消毒する。
種子消毒では、トマトはウイスペクト水和剤5(リゾクトニア菌)、トマト・ミニトマトはバシタック水和剤75(リゾクトニア菌)が利用できる。
土壌消毒では、バスアミド微粒剤(リゾクトニア菌)、クロールピクリンが利用できる。
トマトでは、リゾクトニア菌による苗立枯病について、バシタック水和剤75、モンカット水和剤50、モンカットフロアブル40、ダコニール1000、リゾレックス水和剤による播種後(または播種時)からの土壌潅注処理が利用できる。また、オーソサイド水和剤80は、ピシウム菌、リゾクトニア菌による苗立枯病に対して、播種から子葉展開期の潅注処理が利用できる。
注.2003年の改正農薬取締法施行に伴い、「トマト」と「ミニトマト(直径3cm以下のもの)」とは、農薬登録にかかる薬効・薬害の取り扱い上、別個の作物分類に属することになりました。したがって、「トマト」に登録のある農薬を「ミニトマト」に使用される場合は、予め「ミニトマト」に対する登録の有無をご確認ください。
ご注意
文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。
農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。
農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。
本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。
病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。