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地上部のあらゆる部分に発生する。葉では、初め灰緑色水浸状の不整形病斑を生じ、急速に拡大して暗緑色の大病斑となる。多湿時には病斑上に白色のかびを生じ、乾燥すると破れやすくなる。茎や葉柄には、暗褐色水浸状の病斑を生じ、後にへこんで暗黒褐色に変わり、多湿時には白色のかびを生じる。病斑が茎を取り囲むと、上部は萎凋、枯死する。果実では、未熟果が侵されやすく、ややへこんだ暗褐色、不整系の病斑を生じて腐敗し、降雨が続くと表面に白色のかびを生じる。

病原：糸状菌（かび）　フィトフトラ　インフェスタンス
病原菌には、トマトとジャガイモとを侵すタイプと、ジャガイモを侵すが、トマトには病原性の弱いタイプとがある。
病原菌は水中を遊走子によって泳いで伝搬し、感染するので、降雨・潅水・結露などは本病を伝搬させる主要な要因となる。露地栽培では、梅雨期と秋雨期の降雨日数が多いと多発する。また、低温・多湿下での育苗になりがちな、施設の促成栽培でも多発することがある。

疫病はナス科作物（トマト・ジャガイモ・ピーマン）に共通して感染するので、これらの作物の輪作を避ける。露地栽培では、土壌が風雨ではね上げられることから被害が多くなる傾向にある。畝にマルチをして土のはね上げを防ぐ。また、雨よけ栽培、施設栽培とすることで被害を軽減できる。チッソ肥料が多いと茎葉が繁茂し、被害を助長するので注意する。
薬剤による防除は予防散布が重要で、発病の多い圃場では、例年の発生時期を予測して薬剤を予防散布する。トマト・ミニトマトに対して、オロンディスウルトラSC、レーバスフロアブル、ライメイフロアブル、ランマンフロアブル、ホライズンドライフロアブル、ザンプロDMフロアブル、ピシロックフロアブル、ダコニール1000、ペンコゼブフロアブル、ゾーベックエンテクタSEが利用できる。
トマトに対しては、リドミルゴールドMZ、カビナイスPZ水和剤、ゾーベックエニベル顆粒水和剤、ジマンダイセン水和剤が利用できる。

注．2003年の改正農薬取締法施行に伴い、「トマト」と「ミニトマト(直径３cm以下のもの)」とは、農薬登録にかかる薬効･薬害の取り扱い上、別個の作物分類に属することになりました。したがって、「トマト」に登録のある農薬を「ミニトマト」に使用される場合は、予め「ミニトマト」に対する登録の有無をご確認ください。