調べる

野菜

病害虫・生理障害

戻る

トマト

トマトうどんこ病

データ作成年月日:2023/1/25

写真1(HK)

▲被害葉の拡大

写真2(HK)

▲初期病斑

写真3(SK)

▲葉に生じた白色粉状病斑

症状(診断)

トマトのうどんこ病は2種の病原菌によって起こされる。いずれも主に葉が侵されるが、激しく発生すると葉柄・果柄・ヘタなどにも発生する。
オイディウム菌による場合は、葉の表面にうどん粉を振りかけたように白いかびが密生し、被害部の組識が黄化する。
オイディオプシス菌によるものでは、葉の裏面が帯紅褐色に、また表面は黄色に変り、菌糸が葉の組織内を蔓延し、葉の表面に発生するかびは非常に少ない。

発生の仕組み

病原:糸状菌(かび) オイディウム ネオリコペルシシ、オイディオプシス シクラ、オイディウム sp.が知られる。
露地栽培ではほとんど実害はなく、主に施設栽培で発生する。病原菌は生きた植物体上のみで生存可能であるが、近年トマト産地では、トマトが周年栽培されるので、病原菌の伝染源の切れ目がない。いずれの菌も乾燥条件下でよく発生する。施設栽培では、3〜6月と9〜10月に多く発生する。

防ぎ方

施設栽培での被害が多い。多発すると防除が難しくなるので、発生初期に防除を徹底する。
防除薬剤として、トマト・ミニトマトには、パレード20フロアブル、ケンジャフロアブル、ネクスターフロアブル、ピカットフロアブル、パルミノ、パンチョTF顆粒水和剤、アフェットフロアブル、トリフミン乳剤、ベルクートフロアブル、サンヨール、イオウフロアブルのほか、生物薬剤のバイオワーク水和剤、ボトキラー、ボタニガードES、インプレッション水和剤や、脂肪酸を利用したアーリーセーフ、サンクリスタル乳剤が利用できる。またトマトには、ラミック顆粒水和剤、ファンベル顆粒水和剤、テーク水和剤が利用できる。

注.2003年の改正農薬取締法施行に伴い、「トマト」と「ミニトマト(直径3cm以下のもの)」とは、農薬登録にかかる薬効・薬害の取り扱い上、別個の作物分類に属することになりました。したがって、「トマト」に登録のある農薬を「ミニトマト」に使用される場合は、予め「ミニトマト」に対する登録の有無をご確認ください。

ご注意

文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。

農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。

農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。

本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。

病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。