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イラストで見る 家庭菜園 品目別野菜作り
作型
春まき、夏まきおよび秋まき栽培型がありますが、キャベツほど温度に対する適応の幅が広くないので、同じ地域で三作型で栽培を行うにはやや困難です。すなわち、冬季に寒さの厳しい寒冷地では秋まき栽培、夏季に暑さの厳しい関東以西では夏まき栽培がやや困難です(第1図)。
春まき栽培
生育初期が低温期に当たり、低温にあうと花芽ができて抽苔することになるので、本葉6枚になるまで温床にして14℃以上で育苗します。また、この作型では抽苔しにくい品種を用います。定植は、外気の最低温度が10℃以上になった時に行います。定植後、一時的に10℃以下になっても本葉6枚以上に生育していれば抽苔しないで結球します。
夏まき栽培
夏季が冷涼な寒冷地では、6〜8月にタネまきします。夏季の気温が低い地域ほど、タネまきの適期幅が狭くなります。
秋まき栽培
関東以西で8月上旬から9月下旬にかけてタネまきをします。標高が高いなど夏季の気温が低い地域ほど早まきが可能です。
また、タネまき後20〜30日間の寒冷紗被覆によって、播種期を通常よりも10日ぐらい早めることが可能です。この作型では、極早生から中晩生品種まで、生育速度の異なる品種を用いることにより、長期間の収穫ができます。
タネまきと植え付け準備
タネまきまたは植え付けの20日前に、10u当たり堆肥30sと土の酸度を改良するための石灰を施用して深耕しておきます。その10日後に元肥を施用して畝を立てます。畝幅は株作り栽培では1条植えでは約65p、2条植えでは約130pとします。
育苗と植え付け
春まき栽培では、電熱温床線や保温用ビニールを準備して温床育苗とします。発芽するまでは20℃、発芽後は14℃を確保し、タネまきおよび育苗期間中は25℃以上にならないよう換気します。春まきでは播種箱にタネまきして本葉1枚時にポリポットに移植します。本葉6枚以上に生育したら、温暖で風の少ない日に植え付けます。
夏・秋まき栽培では、害虫や苗立枯病が発生しやすいので、白寒冷紗でトンネル被覆をして育苗します(第2図)。タネまきはペーパーポット、セルトレイなどに1〜2粒まきとします。発芽後に1カ所1本に間引きます。育苗中の潅水は出芽後、展開本葉1枚に生育するまでは控えめとし、本葉2枚以上に展開、生育してくれば次第に潅水量を多くします。本葉2〜4枚に生育したら植え付けます。植え付けの株間は、直まきに準じます。
直まき
夏・秋まき栽培では、直まきも可能です。株間は早生品種は35p、中生品種は40p、中晩生品種は45p間隔に1カ所6〜7粒まいて6〜8oの厚さに覆土します(第3図)。
施肥
10u当たりチッソ280〜320g、リン酸200〜300g、カリ230〜300g施用します(第1表)。この範囲内で春まき栽培では少なめ、秋まき栽培では多めに施用します。元肥量と追肥量の割合は、春まき栽培および極早生品種では8対2、夏・秋まき栽培では7対3とします。
火山灰土壌ではリン酸を増施
管理
直まきでは本葉2枚から5枚展開時までに2〜3回に分けて間引き、最後に病害虫に侵されていない、正常な1株を残します(第4〜5図)。
追肥は、タネまき後、極早生・早生品種では25〜35日目に1回、中生・中晩生品種では35日と50日目の2回に分けて行います。
病害虫
病害では、モザイク病、軟腐病、べと病、白斑病、菌核病などが発生します。モザイク病はアブラムシによって感染するのでアブラムシの防除をします。軟腐病に対しては、高畝にして排水を図り、発病株は早めに除去します。
害虫では、アブラムシ類、ダイコンシンクイムシ、キスジノミハムシ、アオムシ、ヨトウムシ類、コナガの幼虫、ネキリムシ類などが発生します。