トマト/ミニトマト

3月タネまき、育苗

苗を5月に定植する場合、3月中旬以降にタネまきをします。
まず、準備した育苗箱などに、タネまき用土を入れます。表面を平らにならした後、余分な水分が底から出るまで十分に潅水します。この湿らせた用土にトマトのタネを条まきします。指で3〜5cm間隔に約1cmの深さのタネまき溝をつくり、この溝にタネを1cm程度の間隔に指でもむようにしてまきます。まいた後、タネの周囲の用土をかけて覆土し、発芽まではその上を1枚の新聞紙で覆っておきます。この新聞紙の上からジョウロで新聞紙を湿らせる程度に潅水します。トマトのほかに、ナス、ピーマンなども同様にタネまきできます。
タネをまいた育苗箱は、昼間は日のよく当たる暖かいところに置き、夕方は屋内に入れます。こうした移動が困難な場合には、育苗箱全体を発泡スチロールの箱などに入れてフタをしたり、プラスチックフィルムをかぶせたりして、確実に保温できるように工夫します。
タネまきしてから7〜10日前後して、発芽してきたら新聞紙を取り除き、光を十分当てて育苗します。
なお、トマトのタネをポリポットなどに直まきして苗を育成することもできます。被覆肥料を含む培養土をポットに入れた後、1ポットに2粒のタネを5o程度の深さに押し込み、覆土をします。その後、ジョウロで潅水して同様に管理します。この方法の場合には、タネまきしたポットを保温して置く場所が必要ですし、一つのポットに1株の苗とするために、発芽後よい苗を残してほかは間引きしますので、育苗箱でタネまきする方法よりも多くのタネと育苗の面積が必要となります。

育苗箱の保温例

4月トマト苗の鉢上げ

4月ごろに発芽がそろって本葉が1〜2枚になったら、よい苗を選んでポリポットなどに鉢上げします。
タキイの「育苗培土」や被覆肥料を含む培養土に苗を1本ずつていねいにポリポットに植え付けます。ここでは9cm(3号)のポリポットを使っています。ポットの底に水抜き穴がありますが、まずはそのまま培養土をポットの半分程度の深さに入れておきます。ヘラなどで苗の周囲の土を底からほぐし、決して茎に当たる部分を持たないように葉の部分を持ちながら、根を切らないようにして育苗箱から苗を取り出します。苗をポットに入れた土の上に置き、その周囲に培養土を押さえないようにポットの上端から5o下までの高さに入れます。その後、株元を軽く押さえてポット全体を地面に軽く打ち付けて、苗と土を落ち着かせます。植え付け後はたっぷりと潅水します。その後はポットの表面の土が乾いたタイミングで潅水するようにします。

育苗箱にタネまきして鉢上げした場合

ポリポットにタネまきした場合

5〜6月トマト苗の定植〜わき芽取り

トマト苗の定植

育ててきた苗から、本葉が約5枚以上に展開して、茎が太くがっちりと生長した苗を、定植用として選びます。トマトやミニトマトの場合、1袋に1本の苗を植え付けます。
ポリポットなどに植えてある苗を鉢から取り出し、袋の土の中にあけた穴に苗を入れて土をかぶせます。このとき、深植えにならないように注意します。植え穴にはあらかじめ水をやり、植え付け後にもたっぷり水やりします。

定植の仕方

定植の仕方

支柱立て

袋栽培の場合は袋の折りしろが深いので支柱をすぐに立てなくても倒れにくいですが、5月下旬までに支柱を立てて茎をひもや誘引テープで誘引します。茎と支柱の結び方は生長にともない茎が肥大することを考慮して、余裕を持たせて8の字型に誘引します。

誘引の仕方

誘引の仕方

わき芽取り

定植したトマトは生長するにしたがって、葉と主茎の間の節からわき芽が出てきます。トマトやミニトマトの袋栽培の場合は主茎の1本仕立てを基本としますので、これがあまり伸びないうちにすべて摘み取ります。わき芽を摘み取らずにいつまでもおいておくと、栄養がわき芽の生長に使われて主茎の果実の生育が遅れます。これが6月まで続きます。

6月摘果、追肥・潅水

摘果

1つの花房に花は7〜10個つきますが、大玉トマトの場合は果実のつき具合をみて、そろった大きなものを4〜5個残して摘み取ってしまいます(摘果)。ミニトマトの場合、摘果は必要ありません。

追肥・潅水

袋栽培の場合、第3花房まで収穫することとして、第3花房の上の葉2枚を残して摘芯(芯止め)するのが無難な栽培と思います。しかし、さらに上の第4〜5花房までも収穫する場合は第3花房の開花時ごろから追肥として、有機配合肥料などを1袋当たり1握り(約30g)を2週間ごとに与えることが必要です。
毎朝、株の生育に合わせて潅水量を増やしていきます。大きく生長してきたら、たっぷりと潅水し、夕方にしおれてくる場合はさらに潅水します。

7〜8月収穫

ミニトマトは第7花房まで収穫することが可能です。開花後40〜50日で着色が始まり、50〜60日で成熟します。果実が赤く熟したものから順に、ヘタの部分を剪定バサミで切り取ってこまめに収穫していきます。
また、収穫時期は暑い盛りなので、潅水は1日でも欠かせません。朝に十分に潅水し、それでも夕方にしおれてくる場合にはさらに潅水してください。