どこでも誰でも手軽でカンタン!袋で野菜をつくろう!<緑のカーテンも栽培できる!>

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トマト(ナス科)

<推奨品種>

完熟大玉トマトで作りやすい「ホーム桃太郎EX」

甘くて、リコピン豊富なミニトマトの「CF千果」

発芽適温: 20〜30°C
生育適温: 昼間25〜30°C、夜間10〜15°C

南アメリカ原産のトマトは、夏の代表的な野菜の一つで、ビタミン、ミネラルを多く含んだ栄養価の高い健康野菜としても知られています。

トマトは連作に弱く、同じナス科の野菜(ナス、ピーマン、ジャガイモなど)を栽培した場所には3〜4年は栽培ができません。しかし、新しい土が入った袋での栽培の場合には、前作のことや連作障害のことを考慮せずに栽培することができます。

「ホーム桃太郎EX」「CF千果」

3月

タネまき、育苗方法

育苗箱の保温法の例

苗を5月に育成する場合、3月中旬以降にタネまきをします。

準備した育苗箱などに、まず、タネまき用土を入れます。タキイの「たねまき培土」や市販のタネまき用土を利用する場合のほか、被覆肥料を含む培養土の上に、ピートモスとバーミキュライトを等量混合した用土(ピートライト)を重ねてつくった用土も簡便に用いることができます。表面を平らにならした後、余分な水分が底から出るまで十分に潅水します。この湿らせた用土にトマトのタネを条まきします。指で3〜5cm間隔に約1cmの深さのタネまき溝をつくり、この溝にタネを1cm程度の間隔に指でもむようにしてまきます。まいた後、タネの周囲の用土をかけて覆土(ふくどし、その上を1枚の新聞紙で覆っておきます。この新聞紙の上からジョウロで新聞紙を湿らせる程度に潅水します。

タネをまいた育苗箱は、昼間は陽のよく当たる暖かいところに置き、夕方は屋内に入れます。こうした移動が困難な場合には、育苗箱全体を発泡スチロールの箱などに入れて、フタをしたり、プラスチックフィルムをかぶせたりして、確実に保温できるように工夫します。

タネまきしてから7〜10日前後して、発芽してきたら新聞紙を取り除き、光を十分当てて育苗します。発芽までは、用土が乾かない程度に、用土の上の新聞紙を湿らせるようにして潅水します。発芽がそろい、本葉が出てきたら、よい苗を選んでポリポットなどに鉢上げします(4月の作業)。

なお、トマトのタネをポリポットなどに直まきして苗を育成することもできます。被覆肥料を含む培養土をポットに入れた後、1ポットに2粒のタネを5mm程度の深さに押し込み、覆土をします。その後、ジョウロで潅水して新聞紙をかけて同様に管理します。この方法の場合には、タネまきしたポットを保温して置く場所が必要ですし、一つのポットに1株の苗とするために、発芽後よい苗を残して他は間引きしますので、育苗箱でタネまきする方法よりも多くのタネと育苗の面積が必要となります。

4月

トマト苗の鉢上げ方法

育苗してきた苗の鉢上げの適期は、本葉が1〜2枚のときです。

タキイの「育苗培土」や被覆肥料を含む培養土をつくって、その土を用いて苗を1本ずつていねいにポリポットに植え付けます。ここでは9cm(3号)のポリポットを使っています。ポットの底に水抜き穴がありますが、まず、そのまま培養土をポットの半分程度の深さに入れておきます。ヘラなどで苗の周囲の土を底からほぐし、苗の葉の部分を持ちながら(決して茎に当たる部分を持たないようにして)、根を切らないようにして苗を育苗箱から取り出してポットに入れた土の上に置き、苗の周囲に培養土を押さえずにポットの上端から5mm下までの高さに入れます。その後、株元を軽く押さえてポットごとトントンとポット全体を地面に軽く打ち付けて、苗と土を落ち着かせます。植え付け後はたっぷりと潅水します。その後はポットの表面の土が乾いたら潅水するようにします。

なお、トマトのタネをポリポットに直まきした場合、一つのポットに2本以上の苗が育っているときには、そのうちの一番生長のよい苗を1本残して他の苗を除きます。ポットに直まきする場合は、場所があるのなら、1鉢に1粒ずつまいて育てると間引きする必要はありません。

<育苗箱にタネまきした場合> <ポリポットにタネまきした場合>

5月

トマト苗の定植

育ててきた苗から、本葉が約5枚以上に展開して、茎が太くがっちりと生長した苗を、定植用として選びます。

1袋の土の容量が限られていますので、とくに大きな袋でなければ、トマトやミニトマトの場合、1袋に1本の苗を植え付けます。

ポリポットなどに植えてある苗を鉢から取り出し、袋の土の中に穴をあけ、苗を入れて土をかぶせます。このとき、深植えにならないように注意します(第1図)。

植え穴にはあらかじめ水をやり、植え付け後にもたっぷり水やりします。

支柱立て

袋栽培の場合、袋の折りしろが深いので、鉢やプランターでの栽培のようにすぐに支柱を立てなくても、倒れにくいですが、下旬までに支柱を立てて茎をヒモや誘引テープで誘引します。

茎と支柱の結び方は第2図のように、生長にともない茎が肥大することを考慮して、余裕を持たせて8の字型に誘引します。

「そのまんまトマト畑」には、袋の両側にある支柱ガイドを利用して、直径13mmの支柱が簡単にセットでき、植物体の支柱への誘引が容易にできます。

側芽取り

定植したトマトは生長するにしたがって、葉と主茎の間の節から側芽(わき芽)が出てきますが、これをあまり伸びないうちに摘み取ります。側芽を摘み取らずにいつまでもおいておくと、栄養が側芽の生長に使われ、主茎の果実の生育が遅れます。

定植後のトマト苗 第1図 定植の仕方
袋の両側に支柱ガイドが付いているので、支柱を差し込むだけで立てることができて便利。
第2図 誘引の仕方

6月

引き続き側芽取り

トマトやミニトマトの袋栽培の場合には、主茎の1本仕立てとしますので、側芽はあまり伸びないうちに摘み取ります。

トマトでは、茎や葉をつくる生長(栄養生長)と、花芽形成、開花、結実、果実の発育、成熟(生殖生長)が同時に行われます。主茎の生長点は、本葉を8〜9枚形成した後に第1花房をつけ、その後3葉ごとに、第1花房と同じ方向に第2花房、そして、3葉と第3花房というように花房を次々につけていきます。つまり、第1花房より上では、本葉と花房が、葉→葉→葉→花房→葉→葉→葉→花房というように規則的につきます。これらの花房を下から、1段目の花房、2段目の花房と呼びます。

生育中の「ホーム桃太郎EX」。
タキイの「そのまんまトマト畑」なら、第3花房までの収穫であれば、追肥は必要ありません。

摘果

1つの花房に、花は7〜10個つきますが、大玉トマトの場合には、果実のつき具合をみて、そろった大きなものを4〜5個残して、あとは摘み取ってしまいます(摘果)。ミニトマトの場合には、摘果は必要ありません。

ミニトマトは摘果は行いません。 大玉トマトの摘果

追肥・潅水

袋栽培の場合、第3花 房まで収穫することとして、第3花房の上の葉2枚を残して摘芯(芯止め)するのが無難な栽培と思います。しかし、さらに上の第4・第5花房までも収穫する場合には、第3花房の開花時ごろから追肥として、粒状配合肥料などを1袋当たり1握り(約30g)を2週間ごとに与えることが必要です。

潅水は、毎朝、株の生育に合わせて量を増やしていきます。

大きく生長してきたら、たっぷりと潅水します。夕方にしおれてくる場合には、さらに潅水します。

7月

収穫

大きく生長したトマトの株は、何段も花房をつけて多くのトマトを収穫したいと思いますが、無理のない範囲で花房の上の葉2枚を残して摘芯します。

第4〜5花房以上までも収穫をめざす場合には、粒状肥料を追肥として、1袋当たり約30gを2週間ごとに与えることが必要です。

ミニトマトの場合、第7花房までも収穫することが可能です。開花後40〜50日で着色が始まり、50〜60日で成熟します。果実が赤く熟したものから順に、こまめに収穫していきます。収穫が遅れると、虫や鳥に食害されてしまいますので注意します。熟したトマトのおいしさはまた格別です。

収穫を迎えたミニトマト「CF千果」。
もうすぐ着色が始まります。果実が赤く熟すまで慌てずに待ちましょう。

8月

収穫

8月も引き続き、果実が赤く熟したものから順に収穫していきます。そして、2週間に1回、粒状の有機配合肥料などを追肥として、1袋当たり約30g与えます。

暑い盛りなので、潅水は1日でも欠かせません。朝に十分に潅水し、それでも夕方にしおれてくる場合にはさらに潅水します。

トマト