調べる
- ホーム
- 調べる
- [野菜]野菜なんでも百科
- [葉根菜]キャベツ
野菜なんでも百科
キャベツ
種 |
発芽 |
花 |
なり姿 |
キャベツの家系図(出身地)
もとは結球しない雑草です。
キャベツ類の野生種は、広く北海・英仏海峡、大西洋などのヨーロッパ海岸、地中海沿岸諸国に分布しています。もともとは不結球だったのですが、結球性のキャベツは紀元初めごろヨーロッパにおいて成立したものと思われます。
ヨーロッパ諸国で品種の第一次分化が見られ、アメリカに伝わって多彩な品種ができあがりました。
キャベツが日本に上陸したのは?
かなり古くから日本に入りましたが、当時は非結球性のもので、野菜としての利用は見られず、これから“葉ボタン”ができあがりました。
結球性のキャベツが導入され、栽培が始まったのは安政年間で外人居留地においてです。
本格的には明治初年導入されましたがあまり普及せず、明治末〜大正初めごろからようやく一般消費も増加し始めました。
キャベツの親戚
キャベツの仲間には、健康食品の青汁として利用される不結球のケールや、花蕾を利用するブロッコリー、カリフラワー、東南アジアで多く食べられている花茎を利用するカイラン、茎がカブのように肥大し、ヨーロッパなどでシチューに入れるコールラビ(茎甘藍)、葉腋のわき芽が2cm余りの小球となる子持ちキャベツ(芽キャベツ)などがあります
キャベツの住みやすい環境
原産地のような冷涼な気候が大好きです。
発芽適温
15〜30℃と比較的高い温度でも適しますが、35℃以上では発芽不良や不ぞろいの心配があります。
生育適温
5〜25℃の範囲で生育しますが、適温は15〜20℃と冷涼な気温です。耐寒性は強く、マイナス4℃まで寒害がありません。
結球適温
13〜20℃で、28℃以上の高温や7℃以下の低温で結球の進行が鈍り、2〜3℃以下ではほとんど玉は肥大しません。また23℃以上になると軟腐病に侵されやすくなります。
キャベツの世界で最初のF1
昭和25年(1950年)「長岡交配一号甘藍」です。
自家不和合性を利用して、世界に先駆けて最初のF1種(一代雑種)がタキイ種苗から発表されました。
キャベツはどのようにして結球するか?
葉数型の結球
5℃以上の積算温度が1,800℃を要し、総葉数80〜85枚、結球葉数50〜55枚程度必要です。外葉がある程度作られ、葉数が十分確保された状態で結球・肥大体勢に入ります。結球葉の増え方は最初からしまりのよい小球が形成され、結球葉数が確保されるにつれて球肥大が行われます。
これらの特性を示す品種はボール形に多く見られます(肥大型)。
葉重型の結球
積算温度1,600℃、総葉数85枚、結球葉40〜45枚前後で完全結球します。
結球最外葉が玉の外側を包み込み、結球葉は内側から外枠を満たすような形で肥大充実が進行します。球形成初期ではやや軟球傾向を示します。外葉と玉のバランスが取りやすく環境に対する適応性はより大きく、幅広い作期の中ですぐれた能力を発揮します。扁円球タイプに多い特長です(充実型)。
キャベツのトウ立ち(抽苔)はなぜ起きるか?
花芽分化と抽苔
キャベツのトウ立ちは、グリーンプラントバーナリゼーション型といわれますが、一定の大きさに達した苗がある期間連続して低温にあうと花芽分化(茎の先端にある成長点が発育して、将来花芽となる新しい組織を作ること)します。低温に感応する大きさは品種によって異なり、秋まき極早生群の中野改良系では12〜14枚の大苗であるのに対し、コペンハーゲンマーケット系は3〜5枚で感応します。低温感応の温度は平均気温13℃以下、平均最低気温10℃以下とされていますが、平均気温5〜7℃で最も感応しやすくなります。
低温遭遇期間は品種間差が多少あり、一般に一カ月以上必要とされます。
キャベツの作型と品種
作型 | 収穫 | 主な栽培地域 | 生育環境と求められる品種特性 |
夏 ま き |
年内どり 10〜12月 |
中間地 暖地 |
播種時期の高温以外は比較的冷涼。 一番栽培しやすい作型。 冬に入るまでに収穫する必要がある。 ◎熟期の早い早生・中早生種 が主体。 |
冬どり 1〜4月 |
暖地 ※寒玉は1〜2月の平均気温が2〜3℃以上の地域。 ※良質系は1〜2月の平均気温が4〜5℃以上の地域。 |
1〜2月収穫は生育適温以下の栽培期間が長い。 ◎耐寒性・低温肥大性にすぐれる品種。 3〜4月収穫は気温が上昇していく作型。 ◎晩抽性・在圃性(耐裂球・耐腐敗)にすぐれる品種。 |
|
秋 ま き |
早春どり 3〜4月 |
暖地 | 冬の低温期を苗で過ごし、翌春の気温上昇で生育を再開。 収穫期は全般に冷涼で比較的栽培しやすい。 ◎低温感応する葉枚数が多い晩抽系品種。 ◎上昇気温下で早く結球する極早生系品種。 |
春どり 5〜6月 |
中間地 暖地 |
生育環境は早春どりに近似。 収穫時は比較的気温が上昇し、生育が進む作型。 ◎低温感応する葉枚数が比較的多い品種。 ◎在圃性(耐裂球・耐腐敗)にすぐれる品種。 |
|
春 ま き |
初夏どり 6〜8月どり |
冷涼地 ※標高600〜1000m以上 |
生育初期は低温でスタート。 収穫時期は比較的高温。 ◎球芯が低く、扁円球で安定する品種。 ◎6月収穫は早く結球する早生系品種。 ◎7〜8月収穫は在圃性(耐裂球・耐腐敗)にすぐれる品種。 |
夏秋どり 8〜10月どり |
冷涼地 ※標高600〜1000m以上 |
日中は高温も、夜温の涼しさ(20℃以下)を利用した栽培。 栽培期間中、比較的降雨が多い。 ◎在圃性(耐裂球・耐腐敗)にすぐれる品種。 ◎萎黄病・黒腐病耐病性 |